Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

TIMELESS / タイム / タイムレス / ノー・タイム

先の月曜日の夜、東京ではけたたましい雷が続いた。自分は幸いにも帰宅していたので、月でも見物するかのように窓を開けて雷の鑑賞をきめこんでいたが、ひっきりなしに続くあまりの轟音におそれをなして、家の三つの窓を全て閉めた。 ウォルター・デ・マリア…

後輩たち

なぜか7月に入ったあたりからクライアントからの作業の依頼が増加し、お盆もお構いなしという感じで舞い込んできて、どうしたものかという状況だ。そこで上司の方とも相談し、一年目から三年目の若い衆にも少しずつ作業を振ることにした。僕は彼ら彼女らの…

和泉川、谷戸の風景

先の日曜日、知人の溝部さんが設計した住宅のオープンハウスに訪れた。場所は横浜市の内陸部、相鉄線のいずみ中央駅から十分ほど歩いたのどかな住宅地で、少しだけ高台になっている敷地に木造二階建てのその家は建っていた。午後二時ちょうどに到着すると、…

悪や残虐

7月中旬以降の異常な暑さには参った。下旬になってやっと一旦涼しくなったと思ったら今度は台風だ。おのずと室内で過ごすことが多く、ワールドカップも終わったので、また読書の時間も増えた。 中でもハンガリー出身の作家アゴタ・クリストフの『悪童日記』…

フルコート

土曜日、フットサルの友人に誘われてサッカーの試合に助っ人として参加した。その友人も助っ人で、僕らが助太刀するチームはIT系の会社の人たちのチームだった。 場所は巣鴨駅の近く、イチョウの木々が立つ施設だった。なにしろ酷暑なので、試合では皆まずは…

フランス優勝

早いものでロシアワールドカップも終わった。今大会は好ゲームが続き、ファインゴールも多い非常に面白い大会で、心ゆくまで楽しんだ。 日本代表の健闘、ドイツのまさかのグループリーグ敗退、ベルギーやクロアチアの躍進、話題となったVARなどなど、語り出…

ヒッキー完全漢字

以前にも少し書いたけれど、自分は幼少期に習いごとでバイオリンを強いられていた経験から、心の中の、音楽を素直に楽しむための器官に深い損傷を受けた。それはほどんど取り返しがつかないもののように思われ、音楽にとどまらず自己肯定感の全般的な欠如に…

日本代表の件、アルゴリズムなど

1か月ほど前にサッカーには色々な種類の面白さがあるという話を書いたが、まさか日本代表がワールドカップの舞台で、サッカーにはこんな珍しい事態も起こるのだという例を示すことなるとは思わなかった。 勝つための戦略か、アンチフェアプレーか。この境界…

ガーデンウェディング

6月16日の土曜日、パリの留学仲間の結婚パーティーに招待され、参加した。留学で一緒だったのは「子どもたちに誇れるしごとを」している某ゼネコン勤務の新郎のほうだが、インテリアデザインの事務所で働いている奥さんとも彼を通じて面識があった。会場の座…

気概を胸に

情けない話だが、前回書いた5月末の一泊二日の研修で、心身ともに疲れ切ってしまった。さらに、それが原因で風邪をひいてしまい、以来一週間というもの苦しい日々が続いている。 しかしながら、こと仕事に関しては、最近整えられた会社のシステムを上手く活…

シュールレアル散歩

5月末、府中にある宿泊室付きの大きな研修施設にて、1泊2日で中堅社員研修なるものがあった。プロの外部講師の方のもとで、自己啓発、自己成長といったテーマで様々な講義や演習が行われた。役に立ったかは年月が経って振り返らなければなんとも言えない…

メンテナンス

家のそばの緑道の紫陽花のつぼみもふくらみ始めた初夏のこのごろ、先週くらいからこのブログのメンテナンス作業を続けている。利用するサービスを今の「はてなダイアリー」から、より機能の拡充した「はてなブログ」に移行しようとしている。せっかくなので…

ひどく絵になる乱太郎

先日、ふと思い立って若手の創作家のトークイベントを聴きに行った。詩人の大崎清夏さん、歌人の伊波真人さんの対談。自分には馴染みのない分野だったけれど、お知らせのポスターを見かけた時に直感的に惹かれたのだった。あとはその日時に暇があったから。3…

クロースの言葉から

連休は遠くには出かけず、東京でフットサルなどをして過ごしていた。それよりも、例年のとおり、この時期は欧州サッカーのチャンピオンズリーグが佳境である。録画で見た準決勝レアル・マドリードvsバイエルン・ミュンヘンのセカンドレグは、まさに現代サッ…

フランソワ賞の設立

ずいぶん前にブログに書いたことだけれど、学生時代は、サッカーの世界最優秀選手賞「バロンドール」にインスパイアされて、自分の身近な人でシーズンを通して最も印象に残った人、かつ後から振り返って大きな影響を受けた人に、脳内で勝手に自分版バロンド…

走ることについて語る人たちに語ってほしいこと

今週は普段とはちがう不慣れな仕事に従事していたこともあり、木曜日あたりからそろそろ集中力の疲労が著しくなってきた。けれども金曜日にはどうにか来週への目処が立ち、明るいうちに家に帰ることができた。その日は晴れていて暖かかったので、久しぶりに…

ですます調

先週の時点では決めかねていた個人テーマ研究は、単純ながら、建築を見に行って文章にまとめるというものにした。月一のペースで定期的に更新することが目標。また、切り口や掘り下げ方の工夫が必要とも思っている。ラフなメモを持って部長に説明にいったと…

いきもの係

新年度が始まった。自分はこれまでと同じ部署で、ボリュームチェックとインドネシアの物件という同じ仕事を続けているが、やはり新年度特有の気持ちの張りがあったのだろう、木曜の夜からがくんとエネルギーと集中力が切れた。どうしても四月は五月病の準備…

バリェーカスの少年

興味関心のバイオリズムがあるのだろうか、ここ1、2年ほどは、大学の学部生のときのように、比較的せっせと展覧会めぐりをしている。われながら奇特なことだと思う。最近の中で特に感銘を受けたのが、上野の国立西洋美術館でのプラド美術館展。その中でも…

京都へ

父が今月で退職するため、子供二人から両親へのプレゼントということで、京都へ家族旅行へ。ちょうどその土日だけ晴れ間が広がり、幸運でした。 簡単に写真だけ。

時間の単位

3月になり、例によって会社では人事異動の辞令が発令されている。自分は変化がないようだが、二人の上席の方が、四月から別部署へ異動することになった。二年間にわたって助けていただいたので、感謝している。新しい部署で継続する物件もあるらしい。建築の…

「くまのもの」などなど

ここのところ、書きとどめておきたいような建築にまつわる出来事が三つ続いた。ひとつめは、法政大学での陣内秀信先生の最終講義。先生の数十年におよぶ膨大なフィールドワークを一気に振り返る講義は、イタリアをはじめとする世界を一気に旅したようなエン…

クロノ・トリガー

暖かい日が増えてきて、インフルエンザの脅威も後ろに遠ざかった最近だが、花粉症か風邪によって少し体調を崩した。そこで家でゆっくりしていた休日、ある記事の見出しに「クロノ・トリガー」という言葉を見つけた。この名作ゲームが、PC版で配信開始される…

迷惑料

二年前まで住んでいた社宅で今、各部屋でのカビの発生が問題になっていて、過去に居住していた人でも被害の申請をすれば一律の迷惑料が振り込まれる。会社から突然そんな内容のお知らせのメールが来た。たしかにバルコニーの目の前が屋敷林に面していてじめ…

マチネの終わりに(その2)

梅が咲き始めた。休日に小田急線に乗った際、“ODAKYU VOICE”なる広報誌を手にとってみたら、梅ヶ丘の来歴について書いてあった。なんでも、駅名がそのまま地名となり、その美しい名前にふさわしい街にしようと、後から梅が植えられていったのだとか。そして…

マチネの終わりに

昨年の4月から、月曜日の午前中の部会で、互いのことをよりよく知る機会にと、平均して2週に一度ほど、自己紹介の時間が設けられた。僕も6月頃に、これまでの担当物件や学生時代の活動を話した。プレゼンの後半では、読書の趣味の紹介も加えた。その中に、作…

掏摸

昨夏、中村文則『掏摸(スリ)』を読んだ。天才スリ師が主人公の、スリリングで非常に面白い小説なのだが、これを読んで、自分がそれまで電車の中で癖のように何気なく行ってきた行為を、より意識して行うようになった。それは、車内で他人の読んでいる本の…

インフルエンザーたち

インフルエンザが流行っている。同じ案件を担当している上席の方もかかったし、他にもちらほらと感染情報を聞く。自分も、昨秋に予防接種を受けたとはいえ、細心の注意を払う必要がありそうだ。 ところで、職場の方からインフル感染の旨の報告がくるときの文…

プレゼン研修

いつの頃からか、プレゼンというものが嫌いになっていた。特にパワーポイントで用意したスライドを説明していく形式のものが。自分がするのも、他人のプレゼンを聞くのも好きではない。たとえばTEDのプレゼンの中には感銘を受けるものもあるが、そのレベルで…

イスラーム幾何学芸術展

「イスラーム幾何学芸術展」を観に行ってきた。そもそもは、フェイスブックで何人かの友人が関心を示していて、その存在を知った展覧会だった。 武蔵小杉駅すぐ近くの、川崎市の施設の一室が会場で、入場は無料。ヒジャブをまとった、日本語と英語の話せる女…