「夜霧の恋人たち」
- 1968年、フランス。
- 監督:フランソワ・トリュフォー。
- 出演:ジャン=ピエール・レオー、クロード・ジャド、デルフィーヌ・セイリグ。
「夜霧の恋人たち」とはどんな映画なのか?
まずシャンソンのメロディーに乗ったオープニングのシーンが素晴らしい。あっさりとしたラストのシーンも素晴らしい。そしてその間の90分の全てのシーンが素晴らしい。
映画館や映画博物館が一体となったシネマテーク・フランセーズという大きな施設があって、そこでフランスを中心に古今東西の映画を上映している。26日の日曜日に「夜霧の恋人たち」があって、観に行ってきた。最初に観たのは数年前、2回目は去年の大学院入試の前日、これが3回目だ。
21時半からの上映で、150人ほど収容の館内は席が埋まる。映画中のフランス語は聞き取れないが、何の話をしているのかは大体覚えているし、俳優たちの動きを見ているだけでも十分すぎるほど面白い。日本ではあまり気に留めなかった会話でもフランスの観客は大いに笑っている。
トリュフォーがユーモアをたくさん盛り込んで軽妙な作品に仕上げたことを、改めて、というか初めて知る思いだった。だって、主人公のアントワーヌ・ドワネルの台詞と行動、ほぼ全てで笑いが起きていたのではないか!
それにしても、42年も前の映画が今日こうして実に自然に映画館で楽しまれていることに、感じるものは大きかったと思う。それは作品に対してもだし、より広くフランスの文化についても。
ちなみに、来月のシネマテーク・フランセーズのラインナップには、ミヤザキ・アヤオの「小さな魔女キキ」(仏題)もあるよ!