Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

コルビュジエ巡り(リヨン旅行記 3)

リヨンの旅の二日目は、6人が二手に分かれる。河合さん、まりちゃん、たくはラ・トゥーレット修道院へ。福地、きょうすけ、僕はフィルミニの町へ。どちらもコルビュジエ巡りだ。

リヨンから電車で約一時間、フィルミニ駅で降りると一段と寒い。ここはいわゆる何にもない田舎町。日曜の閑散とした町をしばらく歩くと、コルビュジエのコンクリートの建物たちが登場する。シャープな外観の地域施設「文化の家」、大砲のようなフィルミニの教会、少し離れた丘の上には、福地いわく軍艦島みたくユニテ・ダビタシオンがそびえる。

「文化の家」は段差のある敷地に対応した断面が面白く、長い廊下などにはスケール感のよさがある。フィルミニの教会は上部の礼拝堂が劇的で、「筒」と、「星」と、横に走る間接自然光から、それぞれ特徴的な光が採り入れられる。200〜300人は収容できそうな座席も上下の段に巧みに分けられ、様々な場所ができている。ただ、礼拝の空間はある程度の非日常性は必要だと思うけれど、のどかな周辺に対して完全に閉じているのが気になった。これは感じ方の程度問題かな。

   

ケバブ屋で休息した後、坂道を登りユニテへ。外観と中廊下しか見れなかったためか、ただの団地じゃん、というのが正直な感想だった。やはりマルセイユのユニテのほうがずっと良いらしい。フィルミニのコルビュジエ建築はいずれも、漫然とした風景の中にあって余りにもオブジェ的な構えをしているようにも感じた。またいつか認識を改める機会があるかもしれないけれど、これが今回の印象だ。ちなみにロンシャンの礼拝堂も形はオブジェ的だが、より特権的なロケーションのためか、あれは自然に馴染んでいるように感じた。

とにかく寒かったが、3人で歩き話しながらの建築巡りは充実していた。他大出身の2人はいまだに新鮮だ。フィルミニを後にし、リヨンに戻る。
17時半。帰りのTGVも僕だけ時刻が遅く、まだ5時間ほどあり、2人もまだ3時間ほどある。