Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

光の都市(リヨン旅行記 4)

夕方にリヨンに戻ってきてから帰りのTGVまで時間があったので、少し休息してから、福地ときょうすけとレンゾ・ピアノの「国際都市」へ行く。集住、オフィス、ホテル等のメガ・コンプレックスなので、ショッピングセンターのようなアーケード形式になってしまうのは仕方がないのかとも思う。しかし流石はピアノで、建物配置から素材までデザイン密度高く1キロに及ぶ建築群をまとめあげている。ピアノ得意のオレンジ色のテラコッタの、素材感が温かい。


20時半に駅のホームで5人を見送ってから、最後の散歩に出かける。まずは市庁舎の向かい、ジャン・ヌーヴェル設計(改修)のオペラ座へ。今回の旅では外観とロビーを少し見ただけだが、既存の古典主義建築の上に載る半円のヴォールトは形態の相性抜群で、「ジャン黒」のカラーで統一されたインテリアは既存の石のファサードや周囲の街並みとも好対照。リヨンの街にとっても会心の傑作だと感じる。


それからローヌ河に出て、河沿いを駅まで南下する。京都の出町柳から鴨川沿いを四条あたりまで歩き、西に折れて京阪に至る感じ。もともと青空駐車場だったのが近年整備されて、5キロにわたる公園的な親水空間に再生された河岸。都市デザインにおけるランドスケープ(・アーキテクト)の役割の大切さを考えさせられる、丁寧に作りこまれた公園だ。建築だけでは足りないんだ。

そして忘れがたきは河岸の夜景であり、遠くに望むふたつの丘の夜景。「光の祭典」は昨日で終わり、観光客は去って、なおもまぶしい光の都市リヨン。いい街だったなあ。