Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

あんな動詞、こんな動詞

来月は上旬にポルトガルに旅行に行った直後、南仏から北イタリアにかけて3週間かけて旅するので、「リュミエール」はほとんど全く更新できなくなります。毎月10日以上記事を書くことを自分に課して、9月から続けてきたけれど、それは今月でやむなくストップ。

書くモチベーションは、パリでの生活を伝えねば、という思いもある。でも気付けば60個以上になる記事が堅苦しい義務感に彩られてばかりいるのではなくて、書くことが好きなのだろう。コミュニケーションに関する動詞―聞く、話す、読む、書くなど―はバランスよく磨いていきたいと思う。ブログは書く習慣をつけるためのトライアルでもある。


動詞を書き並べるというのは、なにかを考えるときにも、言葉による表現としても、ひとつの有効な方法のようだ。夏の甲子園早実vs駒苫の決勝戦の、再試合前の朝日新聞より。

長田弘さんは「夏の物語――野球」という詩の中で、「動詞だ、/野球は。/すべて/動詞で書く/物語だ」と書いている(『長田弘詩集』ハルキ文庫)。滑る、飛ぶ、走る、殺す、追いこむ、といった数十の動詞を詩にちりばめながら、野球に特有の躍動感をうたう。(中略)引き分け再試合と決まった時、この日の両チームには当てはまらなかった動詞が二つあると思った。「乱れる」と「譲る」だ。…天声人語2006年08月21日 付


いつも喜んでいなさい。たえず祈りなさい。すべてのことについて、感謝しなさい。これは聖書の一節。来た、見た、勝った。こちらはユリウス・カエサル。神もカエサルも上手い。


歌の歌詞で、言葉が一続きになって新しいひとつの動詞を作っているようなものも好き。言葉をまとめあげるのは、音楽の力だろう。千の風になることも、ゆっくりゆっくり下ってくことも、地平線に届くように限界まで振り切ることも、言葉だけでは難しそうだ。ちなみに、L'Arc〜en〜Cielはフランス語で虹という意味。