Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

ポルト、シザ、コールハース(ポルトガル旅行記 1)

ポルトガルは明るく、そして暖かい。昼にポルトの空港に着いて、市街地へ向かい、宿を見つけて、身軽になって出発。

まずはアルヴァロ・シザ*1設計の「ボウサの集合住宅」を見に行く。建物の配置や通路の幅などのスケール、外装の素材に親しみが持て、おおらかな建築にとても好感を持つ。写真で観た以上にいい。さすがシザといきなり感嘆する。


続いてOMA*2設計の音楽ホール「カーサ・ダ・ムジカ」へ。建物の周りを囲う広場の地面がオレンジがかった石材で仕上げられていてまず目を引く。
巨大な岩のような建物の中に入ると、最初はメタリックな床や壁に幻惑されたが、少しずつ慣れてくる。外観、シークエンシャルな内部、そしてコンクリート、アルミ、パンチングメタル、ガラスを基本とした素材の表情など、それぞれがすごい強度で決められていったであろう過程を見てみたかった。また、メインホールは劇もオペラもやらず、音楽の演奏のみに使用されるので、あのようなシンプルな空間が達成されやすかったのではと感じた。ガイドのおねえさんいわく、世界で唯一、自然光のみで公演が行えるホールなのだ。

コールハースにはこれまで特に詳しくなかったが、自分の中で「すごい人」という抽象的なコールハースから、デザインを次々と決めていく具体的なコールハースに意識が大きく変わった訪問だった。写真はあえて変な1枚。


そこから下り、シザの「ポルト大学建築学部」に。これは作品集などで見て予想していた通り、確かにいいねという感じ。さらに丘から川のほうへと下り、生まれて初めて、大西洋を遠目に見た。

*1:ポルト拠点に活躍する世界的建築家。ポルトガル安藤忠雄のような存在(?)。

*2:今世界で最も影響力のある建築家の一人、オランダ出身のレム・コールハースが主催する事務所。Office for Metropolitan Architecture。