Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

シザの教会(ポルトガル旅行記 2)

ポルト滞在2日目もシザの建築を巡る。早起きして、ポルトから東の内陸部に列車で1時間半かけてマルコ・デ・カナヴェーゼスという小さな町に教会を見に行く。


教会の中に入れてもらうと、広く、明るく、とても美しい。ここも自然光だけで聖書が読める教会だろう。しかし白い空間なだけではない。椅子のデザインもいい。小さな噴水のある、明るい石とタイルで囲われた空間もいい。ゆったりとしたスケール感や明るい素材たちなどは、前日の「ボウサの集合住宅」とも通ずる。

シザの建築はよく詩的と評されるけれど、その「詩」は、かた苦しい芸術作品というよりは、気の利いたユーモアのように、人の生活を少し豊かでぜいたくなものに変える。そんな印象だ。

外部空間も簡素ながらデザインされていて、教会とは礼拝を含めて何よりも人が集まる場所なのだと改めて思う。僕は教会を訪れるといつも、もし自分がクリスチャンになってその地域に住んで毎週通うとしたら、という基準でひとつ見るけれど、この教会は、今まで日本やヨーロッパで訪れた有名無名のたくさんの教会の中でも、本当にいいなと感じたもののひとつ。来て、よかった。