Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

リスボンという帰省先(ポルトガル旅行記 4)

海の見える街、リスボン。正確にはテージョ川の広い河口だが、こう言っていいだろう。7つの丘のあるこの街は坂道だらけで、ほうきで空を飛べないかぎり暮らすのは大変そうでもあるけれど、景観は変化に富んで美しい。

昼にポルトからリスボンに到着。シザの「'98リスボン万博ポルトガル館」に直行する。シザのせいではないだろうが、海辺の万博の施設のひとつにすぎず、ポルト周辺で見た建築たちのような「地球に建っている」ような感動はない。もちろんすごかったけど。


14時にAUSMIPリスボン組の稲垣くんと合流し、彼らの寮に大きい荷物を預ける。その後2人で、ぜひとも行きたかったグルベンキアン美術館へ。1956年竣工らしく、美術館や図書館の入った建物は、コルビュジエの日本の弟子たちのテイストを感じる。そして庭園も細やかに設計されていて、建築とランドスケープが素晴らしく調和している。抑えのきいたデザイン。

旅行で少し訪れて強烈な印象が残るというよりは、日常的に図書館や公園を利用しているうち、ゆっくりと記憶に馴染んでいく。そんな場所なのだろうと感じる。都会の静かなオアシスのような場所だが、どうして東京でこれができなかったのかと考えると、ちょっとくやしい。


ぽかぽか気持ちいい。


猪飼と合流し、坂道の入り組んだアルファマ地区を案内してもらう。生活感あふれる路地をくねくね歩いていると、ぱあっと海への眺望が開ける。海の色はさわやかな空色だった。写真はわざとらし猪飼。


日も暮れてきて、市街地のポルトガル料理のビュッフェに入る。かじ君と一希さんも加わり、リスボン組み4人が集合。彼らは寮で2人ずつ相部屋で、家族のような雰囲気だ。もりもり食べた後は寮に帰り、いろいろ話したりする。

パリからヨーロッパの田舎ポルトガルに旅行に来るのは、東京から九州に帰省するのに通じる気分がある。今回リスボンはゆっくり見れなかったので、ぜひまた来よう。リスボンの4人、そのときはよろしくです。