Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

マントンとジャン・コクトー(南仏、北イタリア旅行記 8)

ニースとモナコのせいで地の果てまで落ちたコート・ダジュール地方の印象が、イタリアとの国境も目前の小さな港町マントンによって少し回復した。マントン駅で降りて一部の海岸沿いを歩くと、相変わらずちゃちなホテルが並んでいて、ああ3連敗かと思ったが、他は落ち着いた小さな町だ。

海に面して荒々しい石造りの小さな建物がぽつんと立っている。これがジャン・コクトー美術館。詩人、作家、劇作家、映画もつくりのマルチ人間だったコクトーの魅力が詰まっている。彼の独特の才気走ったデッサンが、マントンのエキゾチックな雰囲気に似合う、気もする。


マントンの海から山へせりあがる斜面には、いかにも地中海の集落らしく、路地や階段の迷宮空間が展開する。歩いていて本当に面白い。タモリ陣内秀信さんが歩いていそうだ。いつ彼らと出くわしても驚かなかっただろう。

また、各家々の植栽も豊かだ。パリからプロヴァンスコート・ダジュールと移動するにつれ、とりもなおさずイタリアに近づくにつれ、植生があきらかに増えてくる。明日からはイタリアに入ります。