Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

羊をめぐるのどかな冒険(イギリス旅行記 9)

約二十日間のイギリス旅行の中で、最も良かったのが、終盤のエディンバラと、これから書く湖水地方(Lake District)だった。湖水地方はイギリスの中では山岳地帯にあり、湖の点在する景勝地。豊かな自然の中で3泊4日過ごした。羊の牧場が多く、人間よりも羊のほうがたくさん見たといっても過言ではない。なので、このタイトル。

数キロごとに点在している小さな町に行き、そこを拠点に湖周辺のフットパスを散策したり、小高い丘に登ったり。美味しい空気をたくさん吸った。たまに車にひかれた鳥も見た。疲れたり雨が降ったりすれば店に入って飲み物を注文しつつ、読書や日記執筆をきめこんだ。羊をめぐるのどかな4日間は、そういえば時計をほとんど見ずに過ごした。

フランスやイギリスにて鉄道で長距離を移動するときは、たいていどこまでも平らな緑の景色が広がっているけれど、特に湖水地方では緑と水と町が細やかに寄り添っていると思う。

民家や羊を囲い込むための低い塀は平べったい石を気長に積んで作られていて、この地方の独特の風景の担い手だ。南仏のプロヴァンスの村々もそうだったように、自然とヴァナキュラーな建築物の両方がしっかりと残っている地方は、かけがえのない魅力を持っている。