Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

パリに初めて来た時のように(イギリス旅行記 15)

エディンバラ玄武岩溶岩の上に街が出来ていて、溶岩が氷河に削り取られた残丘の岩山が残る(ウィキペディアより)。街の基本的な骨格は、ニュータウンとオールドタウンが谷を挟んで対照的な姿を見せていてわかりやすい。

ニュータウンは18世紀以降の都市計画で作られた、整然としたグリッド状街区。道路は完全にまっすぐで、建物のファサードもキチンと揃っている。近代以降の商業施設やオフィスといったプログラムをニュータウンが上手く吸収してきて、エディンバラ全体が歴史のよく保存された街として今に至ることに寄与したのではないかと予想してみる。

ニュータウンと、駅および帯状の公園の谷を挟んで見上げる丘の上にある歴史地区がオールドタウン。坂道はうねり、立体交差あり、激しい階段ありとダイナミックなつくりで、ニュータウンと見事な対照。メインストリートのロイヤル・マイルは、緩やかな坂とカーブが文字通り1マイル続く。
しかし、一見混沌としたオールドタウンにもちゃんと秩序がある。例えばロイヤル・マイルからcloseと呼ばれる脇道の路地をくぐって集住の中庭に至る、表と裏の性格が実に明快だ。


さらに観光地図の少し外側の住宅地なども歩き回ってみると、また様々な地域がある。美しいテラスハウスが圧巻のパースペクティブを見せている地域。霧たちのぼる谷間の住宅地は城砦のような構え。庭付きのおうちが並ぶ地域は春の草花がいっそう香(かぐわ)しい。

そして、それぞれの場所の名もなき建物のレベルがとても高い。これらを行きつ戻りつ、歩いては休みつつ、次から次に面白く美しい街並みが現れるこの街を、パリに旅行で初めて来た時のように、目に焼き付けておかなきゃいけないなと思って歩き回った。

エディンバラについて前回は写真で、今回はある程度客観的に書き、次回は情緒的に書いてみる。