チャールズ・レニー・マッキントッシュ(イギリス旅行記 17)
最後の滞在地、スコットランドで一番の大都市グラスゴーに着く。グラスゴーの街は…まあ、ね。エディンバラと比べるのは気の毒というものだ。
グラスゴーといえば、20世紀前後の建築家・画家のチャールズ・レニー・マッキントッシュが活躍した街で、彼の建築を多く見ることができる。ヴィチェンツァのパラーディオやバルセロナのガウディほどの派手さはないが、とても大切にされていると感じた。建築巡りのためのパンフレットや、各建築での管理状況などが行き届いていて、グラスゴーがマッキントッシュの建築群を街の遺産として継承し、発信していこうとする真摯な姿勢はとてもいいと思った。
さて、マッキントッシュの建築だが、百年残るだけある。椅子や照明や装飾やフォントに至るまで、独特の虫のようなモチーフでデザインされたマッキントッシュワールドが繰り広げられている。本人は行ったことはないらしいが日本のデザインの影響も色濃い。
ただの四角い部屋をインテリアで「逃げて」いる場面もあった気がするが、スケール、プロポーションのしっかり考えられた空間では建築から装飾までが調和して、すばらしく独創的な空間が実現されていた。けれど写真が禁止の場所だったのでお見せできません。
旅の最後を飾った、代表作のヒル・ハウス。写真の中の写真の人物がマッキントッシュ。広い庭ではイースターのイベントで近所の子供たちが「宝探し」をしていた。青い空と白い雲が似合う、素敵なおうちでした。