Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

潟博物館



そこまで積極的に行きたかったわけではないが、せっかく新潟まで来たし、1999年の建築学会賞を受賞した建物だし、一応見ておくか、という程度の軽い気持ちで、東京へ戻る新幹線に乗る前に寄ったのが、青木淳の設計した「潟博物館(ビュー福島潟)」。新潟駅から電車で20分の後タクシーで5分行くと、広い「水の公園福島潟」にぽつんと建っているいる奇妙な建築に着く。

見た目は変てこ、螺旋状の展示スペースも見づらい、ガラス張りで暑いし眩しい、窓のエッジのディテールが汚いというかやたら気になる、などなど、一緒に行ったメンバーといろいろな突っ込みどころは見つかった。それでも、螺旋のスロープを登りながら360度の景色を堪能できる構成は納得できる。クライマックスのステージ空間では、最も大事な福島潟を背景に望める。さらに屋上の展望台へ。絶対的なロケーションにあるわけではないけれども、沼や田が広がる、実はかなり愛せる風景であること、建築がその気付きを与える役割を果たしていると感じて、大きな好感を持った。

同じ公園内の少し離れた場所にも、同じく青木淳によるプール「遊水館」がある。円形の大きなボリュームを直方体が貫く構成で、ふむふむ構造の勉強になる。建物周囲のランドスケープとも積極的に関係させようとしているのが感じられた。青木淳さすがですと思った新潟の午後でした。