Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

グランドツアー(ラングドック旅行記 1)

一週間にわたるフランス調査旅行で訪れたのは、南西部のラングドック地方。現地に行くのは初めてだったので、予備調査という位置づけであった。17世紀に作られた、大西洋に河口をもつガロンヌ河沿いのトゥールーズと地中海の港町セートを結ぶ全長240kmのミディ運河Canal du Midiを軸として、ラングドックの領域の全体像を大づかみに捉えることが主な目的である。トゥールーズから入って東へ向かいながら、ミディ運河の重要ポイントや、都市、集落、さらに地中海近くの沼地などを精力的に見て回った。話は逸れるが、昨日の「ブラタモリ」でも、新宿の歌舞伎町がかつては鴨の棲む沼地だったという話題だった。これはタイムリー。

閑話休題…。
参加メンバーは10人。僕はメンバーの中では一番年少で下っ端で、先生方と多く話ができて勉強になった。移動は、人里離れた村なども多く訪ねるので、そして途中の風景も積極的に観察するため、すべてレンタカーだった。ナビ多くしてクルマ宿に着けず…しかし期間中トラブルもなく無事に乗り切った。僕もセカンドドライバーとして、野球の中継ぎ投手のように、日によって午後から運転した。左ハンドルの外国であることに加え、大きな車体だったため感覚をつかむのに苦労した。内角を意識していなければすぐに右に寄ってしまう。

ミディ運河世界遺産ではあるが、ラングドック地方はメジャーな観光地ではない田舎だし、今回訪れた場所も知る機会すらなかなか無さそうな地名が多かった。だがしかし、フランスの魅力はむしろ地方にあると言ってもいい。全日程が快晴に恵まれ暖かく、ミディ運河もそれぞれのスポットも、車窓からの景色もまことに美しく興味深いものだった。大変に濃密だった一週間を描ききることはできないけれど、旅行を通して考えたことを少しずつ書いていければいいと思う。