5月になって

僕はもともとスロースターターのタイプなのか、4月に気が張って五月病にかかった、という記憶はない。むしろ4月の後半から徐々にペースを上げていくことが多いと思う。2012年度もその例に漏れなさそうだ。

近頃は実際に研究室関係の作業が何かと増えてきて、先週末の三連休も、淡々と作業をこなしていた感じ。もっとも、どこに行っても混んでいそうなので、特に外出したいわけでもなかったが。それに学生の残り一年は、（わりと狭い意味で）落ち着いて勉強したいと思っている。

そうしてやるべきことが増えてきているのだが、忙しいという言葉は使いたくない。この言葉は実に厄介で、人間の意識の中で自らを太らせていって、アイデンティティになり、そしてプライドにまでなろうとする。この力学に対しては対抗していきたい。知らずのうちに屈してしまったような人も多く見てきたし、これからも見るだろうし。

対抗といえば、ちょうど今読んでいる本でも、「システム」に対抗する「物語」、というテーマがひとつあると理解している。（どうだろう。長編小説の最後まで読まなければわからないけれど。）奇数は青豆、偶数は天吾、、、読者を話に引き込んで離さない技巧もこざかしいほどだ。