折に触れて

友達の一人は今日26才の誕生日を迎えて、20代後半ちょっと切ないね笑、と書いてきたので、アラサーの女性は好きだよ、と返信した。

今日は敬老の日。松本にいる母方の祖父と、熊本にいる父方の祖母には、特別な何かをしたわけではないけれど、電話で少し話をした。共に元気そうで安心した。午前中、熊本は台風の影響で風は強いものの雨は降っていないとのことだった。

9年前、僕が高校2年生のときに他界した祖母は俳句サークルに入っていた。亡くなった後、祖父やサークルの方々が祖母の句集を本の形にまとめてくださった。『旅衣（たびごろも）』という題で、僕の手元にも一冊あるので、折に触れてぱらぱらと読み返す。祖母にとって俳句はほのぼのとした趣味であったのだろうが、日常への仔細な観察と、そこで捉えられたものが五・七・五に結晶されるための丁寧な手間の積み重ねが、祖母の晩年を豊かなものにしたことがしのばれる。

句集の題は

　思い出を 涼しくたたむ 旅衣

という句からとったもの。ここではそれを受けて次のように記そう。

　敬老の 思いでひらく『旅衣』