Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

僕、僕、僕に道を聞いてくれ(イギリス、フランス旅行記 6)

僕は日常的な生活圏の近所やキャンパスだけでなく、色々な場所でよく人に道を聞かれる。たとえば小金井でも京都でも、パリ14区でも聞かれた覚えがある。

これは自分の中ではちょっとした誇りと喜びだ。道を聞かれるということは
1.街になじんでいて、道を知っていそう
2.親切に教えてくれそう
という印象を、道に迷っている人に与えているのではないかと思うから。

前置きが長くなったが、ロンドンでの話に入ろう。2年前に少し歩いたノッティングヒルを、滞在が一日延長した日に、今回はさらにゆっくりと時間をかけて散策してみた。基本的には高級住宅街だが、経済力不足の者を寄せつけないような閉鎖的な気取った高級感とは違う。都市建築は美しく、店も洒落たブティックから庶民的な店まで多様。雰囲気いいなぁ。

すると、イギリス人(?)のおじさんに道を聞かれた。知らない行き先だったので答えることはできなかったが、この出来事は、道を聞かれた日本人を有頂天にさせるに十分だった。ノッティングヒルについて、上記のふたつの条件を僕が満たしているとしたら、これひとつで卒業旅行は日程の中盤にして満足、あとは軽く流すだけでもいいとすら思ったものだ。

逆に、この先「そういえば最近道を聞かれてないな」とふと気付くことがあったら、あくせくした精神状態が表情や立居振る舞いにまで表れているのではないかと反省してみるといいかもしれない。世界のどこにほっぽりだされても、「僕、僕、僕に道を聞いてくれ」と思う気持ちを忘れずにいたいものだ。