Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

みたびヴェルサイユ(イギリス、フランス旅行記 10)

一度目は2010年の終わりに留学仲間と、二度目は2011年の夏に家族のフランス旅行に際して訪れたヴェルサイユ。しかしそのどちらとも、何より気温が寒かったという印象が強い。今回の三度目は、ついに天候に恵まれた。

今回の旅行ではパリに到着して3泊目からは、僕らが交換留学でフランスに着いた同じ時期からパリのベルヴィルにある建築学校に正規入学しているRaybunの家に厄介になる。そのRaybunのつながりでやはり東京から来てパリに旅行中の女子二人のヴェルサイユ見学のガイド役に僕が回ることになった。ヴェルサイユ見学に行くくらいは二人を放置していいんじゃないかとも思ったが、パリからヴェルサイユまではなんだかんだで交通機関に慣れていないと迷いやすく、終わってみれば自分は意外にグッジョブをしたなと、思わぬ達成感を味わった。

ヴェルサイユはフランスでも特に多くの観光客が訪れるスポットで、予想通り入場までに大行列。しかし平日だったからか、前二回ほどの混雑状況ではなく感じる。宮殿内も建設過程を説明する気合いの入った質の高いCGアニメーションが新設されていたりと、ようやく満足に見学できた。

続いて順路に従って庭園に出る。が、メインの中心部が工事中でその点はやや残念。ヴェルサイユほどの規模になると、常にどこかしら工事修復などしている気がする。時期をずらして何度も訪れてそれらの体験を繋ぎあわせて、やっと全体像がつかめるのではないか。僕もあと最低二、三回くらいは来なければそこまで達せなさそうだ。

それにしても、大運河を中心とするフランス式庭園は壮大の一言に尽きる。庭園そのものはもちろん、幾何学的なプランニングの理念は後代19世紀のパリの都市計画にも通ずるものがあるし、あるいは、三島由紀夫の何かの本の解説に、三島由紀夫が1925年に生まれ1945年に二十歳で敗戦をむかえ1970年に自決したという、重要な年がきっちりと5の倍数に当てはまっている事実について「フランス式幾何学庭園のような」との形容があったことなども連想される。このように直喩暗喩の様々な次元でのひとつの確固たる指標として、ヴェルサイユの庭園はやはり必見だったと今さら気付く。

一緒だった二人もマイペースで気さくな性格だったので楽だった。二人は学校や職場が一緒なわけでも付き合いが古いわけでもないみたいだが、一緒にフランス旅行に来るくらいだから波長が合うとはこのことだなと思いながら、話していて面白かった。僕と二人は初対面に近かったが、一般的に知り合って最初の頃は「すごい勢いで仲良くなろうとするのもだめ」(このフレーズは気に入った)だと三人で話がまとまり、人間関係の勉強にもなりました。