Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

南三陸町 3日目


3日目は漁業班でのワカメ養殖の手伝いだった。朝食後すぐにバスで寄木(よりき)という港に移動する。幸い天気に恵まれ、時折かもめの鳴き声の響く海辺の屋外での作業に従事した。

漁師さんの指示のもと、収穫されたメカブの茎から専用の道具で葉を削ぎ、袋に詰める。一袋で20から30キロの重さのメカブがどっしり詰まる。メカブのぬめりや弾力を確かめながら、ヘミングウェイの小説の登場人物たちのようにシンプルな作業を無心でこなす。ツアーの人たちと一緒なことや、現地の方々の全然聞き取れない方言が飛び交う点がニック・アダムスたちの場面と違う点か。

作業が一段落すると、漁師さんの出す船に同船させてもらって、葉を削いで不要になった茎の部分10かごほどを海中に捨てにいく。捨てた茎はウニが食べるのだそう。漁師さんはさらに少し遠くまで船を進めて、津波の話もしつつ、自分のワカメの養殖場まで連れていってくれた。メカブの扱いも上達してきたお昼前に作業終了。名残惜しくも寄木の港を後にし、宿泊所で弁当を食べ、南三陸町の仮設商店街にも寄って帰路につく。

震災から2年。悲壮感を必要以上には強調することなく、アグリツーリズモやペスカツーリズモのような体験型観光の要素も多いボランティアツアーだった。「支援」の内容も変わり、広がってきていると肌で感じた。しかし街のハード面での再建はまだまだ遅々として進まず。