Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

川上未映子、オモロマンティック!

10月末頃から作家の川上未映子にはまってしまって小説、エッセイ、対談など10冊近く読んできた。するとタイムリーにも先日、新宿紀伊国屋サザンシアターにてまさに川上未映子がゲストの一人として出演するトークイベントがあったので行くしかあるまい、ということで行ってきました。

ところで、短期間に集中的に特定の作家の本を読むのはこれまでにも2007年5月の塩野七生、2010年8月の村上春樹、また映画では2007年3月のフランソワ・トリュフォー、2011年1月のアルフレッド・ヒッチコックなんかがあって、これらに2013年11月の川上未映子が加わって、好きな作家や建築家が増えるのは純粋に嬉しいものだ。彼らが完璧だなんて全然思わないけれど、つまらない文章や映画も含めて全部好きという別次元の感情もあるわけで、これは何なのだろう。

話を戻そう。作家なら誰しもがそうなのかもしれないが、川上未映子も常軌を逸した自意識や感受性の持ち主といったイメージが僕の中では勝手に膨らんでいて、テレビに出演しているのを見たこともなかったので、今回実際に目の前で本人を見てトークを聴いて、事前の想像との間にどんなギャップが生起するのか楽しみにしていた。同じくトークイベントのゲストの黒田夏子さん、松浦理英子さん(この二人の本は読んだ事がないけれどトークは面白かった)と一緒に登場したときは、誰かを「初めて生で見る」ときの新鮮で浮ついた気持ちにやっぱり包まれた。キリっとした目の予想以上の美人で、その容貌からクールな人かと一瞬思ったが、いざトークが始まると先輩二人の話に頷いたり笑ったりとリアクションは豊か、無邪気と表現しても差し支えないほどにハキハキ質問、黒田さんの新作『感受体のおどり』の登場人物のネーミングを「あーすごい!あーすごい!」と手放しで褒めちぎる。おもしろい生き物という感じで(失礼)、一体この人の中での自意識と無意識の配合はどうなっているのだろう?大袈裟だけれど人間って面白い、と思いながらサザンシアターを後にし、帰りの電車に乗った。

さて、今週も金曜をむかえ、前にも書いたように明日から2泊3日で宮城県南三陸町に行ってきます。川上未映子南三陸町というのが、これがまた繋がりが深くて、特に狙ったわけでもないのに時々起こるこういう流れ・巡り合わせは人生の妙味のひとつかもしれないと思います。