Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

熊高生諸君(その1)

自意識過剰になるつもりはないが、自分の一言が高校生の将来を左右するかもしれない状況というのは新鮮な体験だった。

先週、僕の出身の熊本高校の2年生が40人ほど、引率の先生方に連れられて東京に夏のオープンキャンパスに来ていた。それで、2泊3日の日程の中で、社会人の先輩の話を聞くという会があり、光栄なことに(?)社会人の参加者として招待され、参加してきた。社会人は8人。僕の同学年が他に2人、さらに5年や10年上の方々が呼ばれていた。職業も研究職、弁護士などなど文系理系バランスよく選ばれている印象。

会場は飯田橋のビルの貸し会議室の一室だった。公立なので殆どの先生はもう入れ替わっているが、物理でお世話になった先生とひょっこり再会し、「こんな日が来るとは思いませんでした」「いやいや、来るんだよ」なんて話もした。広い会議室にはテーブルの島が8つあり、それぞれに一人ずつ社会人が混ざる。熊高生たちはあらかじめ興味のある職業の人のテーブルの前に着席し、社会人ひとりを高校生何人かが取り囲むかたちで、高校生の質問に社会人が答えるという進め方だった。僕の場合は高校時代からどのようにして今に至ったか、建築の設計の仕事はどんなことをしているのかを中心に話をすることになり、留学の話題に興味を持ってくれた生徒も多かった。

困ったのは高校時代に何をすればよいかアドバイス的なコメントを求められたとき。「好きなこと、関心のあることはなんでも一生懸命チャレンジすればいーんじゃない?」というのが素直な意見ではあるが、それでは何も言ってないようなものなので、「あえて具体的に言うなら本を沢山読んでほしい、学校の勉強では特に数学を頑張ってほしい(受験で重要だからというより、あれほど抽象的な形式についてじっくりと取り組む機会というのは貴重だったと思うので)」と話した。終わってから同級生とは「こんな感じでよかったのでしょうか、という気持ちでいっぱいだよね」との感想を大いにわかちあい、先生方からお土産にもらった風雅巻きを懐かしがったりしたり。