Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

バテバテの実、隈さんの世田谷

涼しく、日の入りも早くなってきて、秋を感じる最近だ。7月末以来は、自分の気分の中でも10月に行われる製図の試験が大きなウェイトを占めているので、意識の起点も秋であることが多い。製図対策からは予備校に通っていて、長いものに巻かれる罪悪感をちくちくとは感じながらもがんばる日々が続く。

製図対策もなかなかハードで、学校は毎週土曜日の朝9時から夜まで。さらに宿題があり、毎晩帰宅してから1時間半〜2時間くらいは取り組まなければ終わらない程の分量。みんな仕事のかたわら大変そうだ。それで僕はというと、今週の土曜日は平日の疲れから自慢の「バテバテの実」の能力を発揮してあえなく予備校の授業を欠席。まあ、10月までのハードなスケジュールを完全にはこなせないだろうというのは想定の範囲内、それもど真ん中にあったことだった。

土曜は昼まで床で休み、午後から隈研吾さん設計の「食と農の博物館」を見に出かけた。これは今年で開館10年をむかえる東京農大の博物館施設で、馬事公苑の前の並木道に面して建っている。実はあるときこの建物が製図試験で設計することが想定される建物と規模や条件が非常に近いことに気づき、早めに参考に見に行きたいと思っていたのだった。建築雑誌のコピーを携え、経堂駅から20分ほど歩いて到着。いざ着いてみると、たしかに、エントランスに始まって、展示やカフェのスペース、トイレや事務室、階段とエレベーター、天井高さなど、あらゆるスケールが、なるほど実際の建物になるとこれくらいなのね。

そして勉強になることを除いてもシンプルできれいな建物で、石や金網の素材の使い方などの「冴えてる感じ」がある。同時期に建てられた「村井正誠記念美術館」とともに、10年ほど前に隈さんは建築家として世田谷に対して本当に良いことをしたのだなぁと改めて思ったのだった。