Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

ロッベンとかロレンツォとか

先週末、会社で来年度4月1日からの人事異動の発表があって、僕もこれまでの建築設計の部署から、都市開発マネジメント部という馴染みのない部署に異動になってしまった。異動先を悪く言うつもりは全くないが、折角一級の資格もとって、ようやく精神的にも落ち着いて充実した気持ちで仕事ができ始めてきたところ、ようやく建築設計の仕事のひとつひとつの繋がりをつかむ手応えを感じ始めていたところだったので、今このタイミングで設計を離れるのは自分の長期的なバイオリズムの自然な流れを切断されるようで、実にとても非常にただ残念だった。

意匠設計の同期は7人いるのだが、入社3年目となる来年度には「色んな仕事を経験させる」という会社の方針でシャッフルするように一斉に全員異動になり、そのうちもう一人も僕と同じ部署になった。僕が今担当している高校の校舎の新築の物件はあとわずかで竣工なので、部署を移っても続けさせてもらうよう強く希望を出せるが、他の人たちはそれぞれ担当の物件を中途半端な段階で離れなければいけなかったり事情は様々なのだろう。僕ら7人の異動に関しては人手が足りなそうな部署に適当に割り振られた印象だが(あるいはもっと深い理由があるのかわからないが)、まさに動かされる駒という塩梅で、会社の怖さを知った気分。けれども自分も会社の一員である以上は別の誰かが別の機会に残念な思いをする時にはやっぱりそれに加担しているはずなので、なんだかとほほな気持ちになる。(仕事があるだけでも有難いという素朴な感謝は一旦置いておくとして。)

そういうわけで、しばらくは「(後輩に)あと1年だからまあ頑張って、せせら、せせら」「光永、意匠やめるってよ」「RIHITO NO OWARI」とかとか、いや全然終わりはしませんけど、トーナメントで敗退したときのロッベンのようにさんざん悪態をつくことになりそうだ。そして、やはり言い過ぎたと訂正する節操の無さを見せることになりそうだ。

とはいえ、異動の知らせがあった直後の土日は建築学科の同級生5人で1泊2日のスノボに行って、1月の草津にも匹敵するすばらしい時間を過ごし、久しぶりに会った皆に元気をもらった。ロッベンも悪態をついては結局そこから奮起するっつうわけで、何はともあれ4月が始まってから考えるしかないかと思えた。そこまできて今思い出すのは、自分などとはスケール感が全然違うけれどロレンツォを描いた塩野七生の文章なのであって、

やはり人並みに、怖しかったのかもしれない。ただ、ロレンツォという男は、自分が運に恵まれていることを知る男であった。また、いずれにしてもサイは投げてしまったのだからと、ナポリへ着くまでは、船上で大の字になって陽光を浴びて過ごすたちの、男でもあった。