Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

Bye Bye, New York(ニューヨーク、ボストン旅行記 6)


旅の5日目は、ニューヨークからボストンへの移動日。初めて訪れたニューヨークは、自分の中で消化しきれないものがやっぱり多く残ったなあというのが強い感想だ。マンハッタンに限って言えばグリッド状の街の構造はすぐにつかめてしまう。しかしながらそれぞれの街区や地区を具体的に回るとなると、正味3日間だけではどうしようもなく足らない。大学院でお世話になった伊藤先生が「グリッドは多様性を導く補助線」と話されていた意味がよく分かった。確かにニューヨークにはこれといった絶対的な中心が存在せずに各場所が好き勝手に生動しているといった按配で、ここを抑えればニューヨークはわかった、みたいなものが無い気がして、その途方もない多様性の中の、3日で回れる分だけを体験したという感覚だ。

しかも時差ぼけで毎日夜の8時頃にはすっかり眠いモードに入ってしまうし、観劇やサッカー観戦も1日の出遅れによりおあずけとなった。まあ、あれもこれもと欲張ってもしょうがない。

それからもう一つ何とも言えない未消化の感覚が残ったものとして、ワールドトレードセンターの崩壊の件がある。エンパイアステートビルの展望台やイースト・リバー対岸からマンハッタン全体を眺めて思ったのが、この中で当時最も高かった2棟のビルに、テロで飛行機が激突して崩壊したという事件が現実に起こったとは全く信じられない、ということだった。それは跡地に身をおいても同じだった。

と、色々と言葉になるものならないものとあるけれど、ニューヨークは思っていた以上に雑多で人間臭く、摩天楼も小さな建物も時の風格を醸し出しているものが多く、道も広場も生き生きしていて楽しい滞在だった。ひとまずニューヨークについてはこのあたりで。