Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

新校舎などが完成

2013年に入社した頃から設計を担当していた高校の新校舎などが完成した。建物は昨年の夏に竣工引渡しを終え、9月から授業でも使われ始めていた。その後秋から冬にかけて旧校舎の解体や改修、外構の整備などが行われ、12月に一連の事業がひとまずの完了をみたのだった。

昨日、設計スタッフ一同で高校さんに年始の挨拶と、建物は使用状況の確認にうかがった。僕は社内で部署を移動した関係で、昨夏の新校舎竣工引渡しを見届けてプロジェクトからは離れていたので、久しぶりに、都心から1時間ほどの緑豊かな高校を訪れた。

当日は晴天で良かった。正門を入って目の前にあった旧校舎が解体されていて、真新しい舗装の歩行者通路と芝生が整備されている。いきなり印象が大きく変化している。そして、これまた久しぶりにお会いした高校の先生に連れられ、正門からは敷地の奥にある新校舎へ案内された。

新校舎は鉄筋コンクリートの3階建て、延床面積が約6,000平米ほどの建物だ。各階に10教室ずつが入り、グラウンドが見渡せる側に食堂や保健室、職員室、ホールなどが配置されている。建物は上から見ると大きな中庭を囲む「ロの字」の形をしているので、自然光が直接にも間接にもふんだんに入る、明るく大らかな雰囲気の建築となった。

1階から順に新校舎をぐるぐる回っていく。食堂、保健室、職員室などは早速使いこなしていただいていた。面白かったのは平土間のホールで、設計時の打合せで決まっていたダンス部の他に、剣道部も普段の練習に利用しているらしい。設計時、剣道部がホールを使うかどうかは高校側とも議論になり、結論としては使わないとのことで設計の仕様を決めたのだった。ところがいざ新校舎ができてみると、結局剣道部も使うことになったらしい。そこで、やはり打合せを経て設置していた可動間仕切りでホールを2室に分割し、ダンス部と剣道部がうまく共存しているとのお話だった。生徒たちの教室については、もうじき高校入試の会場となるためこざっぱりしていたが、休み時間にわらわらと教室から出てくる生徒たちの様子からは、以前と変わらない生き生きとした高校生活を展開しているさまが垣間見られ、素直に嬉しかった。僕たち外部の者と行き合う生徒たちはみな「こんにちは」と礼儀正しく挨拶をかけてくれるのも相変わらずだ。

入社してもうすぐ3年が経つが、自分が関わった他のプロジェクトと比較してみても、周囲の若い社員さんたちを見てみても、設計の初期段階から建設の現場、そして竣工引渡し(それもエンドユーザーの方々への)まで、曲がりなりにも一貫して関わることができたことは、幸運だったと思う。反省点は多々あれど、ここのところブログではネガティブな内容を続けざまに書いているので、ここでは具体的にひとつだけ。毎週金曜の現場での施工者との打合せに、もっともっと準備をして臨むべきだった!現場に関わる担当プロジェクトがなくなってしまった今、あらためて思う。