Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

四月のまろやか

昨年度の一年間はそれまで馴染みのなかったかつ自分がすることになるとは思っていなかった都市計画のコンサルの仕事にとまどい、例えばそれまでとちょっと違う日常語「容積率の積み上げ」「人にやさしいまちづくり」などを使いこなせず、 自分の目的意識や行動を小さく絞り込むのに苦労しつづけ、 また中堅からベテラン以上の人たちには「経験は役に立つから」と言われながらもそれ以上の具体的な効能は説明されることなく、それでもこの二か月くらいでようやくある程度どんな仕事にも通じるような論理的整理の思考力、段取り力を身につけていけそうな気はしていたけれどもやっぱりフィジカルなモノと疎遠になっている状態に由来する不安感や罪悪感は絶対あるべきであって、自分の職能に関する帰属意識が宙ぶらりん、アーキテクト、コンサルorデベロッパー?とアイデンティティ・クライシスが常につきまとっていた昨年度。さて年度が変わって四月一日からはまた建築設計部という肩書きにはなりましたが以前の記事にも同じようなことを書いたように実際に担当が決まってプロジェクトに関わり始めていく過程で自分の役割や立ち位置は見つけていくものである。

四月一日金曜日の夜はオランダの建築事務所で働いている大学時代の同級生が一時帰国していて、都合のついた仲間たち五人で神保町のかぎろいというお店で集まり「久しぶり」「変わんないね」「変わんないよ」などなどゆっくり話し、二日土曜日は留学先で知り合った建築つながりの友人とその高校の友達が企画してくれた代々木公園でのお花見に参加した。前日の午後に雨が降り出した時はどうなることやらと思ったけれど当日は天気も持ちこたえてくれてそこまで寒くもないし、と安堵し合いつつ、このお花見、企画者の二人がそれぞれの知り合いに声をかけて数十人が集まったのであったが参加者のほとんどは企画者の片方以外はほぼ全員初対面!な人間集団だったのだけど、たぶん
1.企画者の友人
2.とりあえず行ってみるかくらいの気持ちで参加
といったフィルターをくぐって参集した人たち同士の、なんていうんですか、やっぱり性格的に相通ずるところがあるのか、初対面同士の気まずさからはわりとすぐに脱出し、違う職種やの人たちや建築関連でも違う事務所の人たちと知り合えて話ができて、ゆるい集まりのお気楽さと、刺激と新鮮さがほどよくまろやかに気持ちの中で混ざりあって良かったです。ちなみに僕は「学歴を気にするのはそれがポジティブに作用する時のみ」というルールを自分に課すように心がけたいと思っているのだけど(占いなんかもそうですね)、特に藝大出身の人たちは皆それぞれがアホと才気を良い配合で発酵させていて、なおかつしんがとてもすごくしっかりしていて、くせ者感をまとっていて愉快愉快。この二日で自分の意識もあらためてアーキテクトに引き戻されたということで幸先はよかった新年度。