Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

日本代表の件、アルゴリズムなど

1か月ほど前にサッカーには色々な種類の面白さがあるという話を書いたが、まさか日本代表がワールドカップの舞台で、サッカーにはこんな珍しい事態も起こるのだという例を示すことなるとは思わなかった。

勝つための戦略か、アンチフェアプレーか。この境界は正解のない問題なので、ポーランド戦終盤の日本のパス回しを批判する人がいることも判る。ただ自分としては、あの状況下では最も決勝トーナメント進出の可能性が高い現実的な選択だったとして「悩ましいけれど賛成」という意見だ。時間稼ぎの戦法はサッカーではよくあることだし、グループリーグの最終節での消化試合や談合試合も起こりうること。今回の日本代表の件はそれらに加えて、他力本願の状況下での時間稼ぎだったこと、勝利の結果は得たいポーランドとの利害の一致、セネガルとフェアプレーポイントで争っていたことなど、レアケースがことごとく重なった結果、異様な光景が生み出された。

いずれにせよ日本は決勝トーナメントに進んだ。対戦国のベルギーはその実力とシチュエーションからいって、日本のワールドカップ史上最強の相手だと思う。日本人としては日本を応援したいが、いちサッカーファンとしてはアザールやデ・ブライネのプレーを大会の最後の最後まで見たい気持ちも大きい。楽しみだ。

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最近、会社で後輩の新入社員二人にボリュームチェックの一般的な手順を教える機会があった。まず敷地条件として、行政によって定められている用途地域容積率などの都市計画与件の調べ方を、それこそ本当にイロハのイから教えるのだが、初めての彼らは覚えることがたくさんあって大変そうだ。ところで、同じ日の夜、たまたま 3x2+2x+1=0 という二次方程式を見かけて、まったく解き方が思いつかなかった。あるいは思い出せなかった。高校生の頃なら、お笑い番組でも見ながら一分とかからずに公式に当てはめて(?)解けていたはず。日常的に扱う計算手続き(アルゴリズム)が、二次方程式から都市計画与件の整理に変わったのだなあと、現在の自分が妙に相対化された感覚があった。