Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

01. Sumimasen Class Flight

9月15日から23日まで、8泊のデンマーク旅行に行ってきた。気候は快適、街はきれいで便利、そして人も皆親切にしてくれて、良い旅となった。自分の記録のために、少しずつ記事を書いていきたい。

とはいえ、この記事ではまだデンマークには到着せず、特別何があったわけではないのだが、飛行機の話である。成田からコペンハーゲンまでの直通便のエコノミークラスで10時間ほど。海外旅行も長距離フライトも久しぶりで、ずいぶん長く感じた。

飛行機については人それぞれ思うところがあるがろうが、僕としては、何よりもまず単純に一人当たりのスペースを広げてほしい。最低でも新幹線や特急列車くらいにまでは。さらに今回、往きの便では通路側の席ではなかった。つまり、トイレに立つときの「スミマセン」を10時間の中でどう配分するかに神経をすり減らせることとなった。

「飛行機に乗っていると言えば聞こえはいいが、実際は見知らぬ人たちと空中で椅子に縛りつけられて捕虜になっているだけではないか。」(多和田葉子アメリカ 非道の大陸』)

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国際線でトイレに立つと、各席に映っている画面が一度に見渡せる。これは非常に面白い、現代か何かを象徴している光景だなぁといつも思う。誰もが互いに視線を交わすことなく、目の前の画面に注意を注いでいて、ある画面ではスパイが活劇を繰り広げ、またある画面では儚げなヒロインが病室のベッドに横たわり、その隣のスポーツチャンネルでは決勝ゴールにスタジアムの歓喜が爆発している、といった具合だ。着陸する空港は便宜的に同じであろうと、乗客の皆それぞれが違う目的地に向かって、てんでばらばらに生きているのだと実感する。それを孤独を感じることもあれば、気楽に感じることもある。