Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

05. Super Prices

デンマークはとても物価が高い。それはわかっていたので、心して旅行に臨んだ。具体的には、初めて旅行中の出費を逐一ノートにメモした。例えばある日の昼食のマクドナルドは、現金で80デンマーククローネ(約1,500円)。出費を現金とカードに分けて、それぞれの残高が分かるようにすることで安心感がぐっと増した。そうした努力と、食事にこだわらなかったことから、結果としては覚悟していたほどにはお金を使わなかった。

しかしながら、本当に損をした気分になったこともあった。様々なTPOを経験しようと、最初の6泊は経済的にAirbnbでしのぎ、最後の2泊は市街地のホテルを予約した。このホテル、デンマークのモダンデザインのインテリアが特徴だという。だがチェックインしてみると、部屋はただ狭く、ロビーもセンスがいいとはとても言えない空間に、とりあえずヤコブセンのスワンチェアが並べられている。リサーチが不十分だったのだろうが、これでモダニズム気分に浸れというのか、なめられたものだ、と思った。

「ホテルはどう?」ちょうど前日までのアパートのホストのクララとニールスがメッセージをくれた。「高いけどいまいち」「一泊いくら?」「約1000DK以上(約2万円以上。注:実際はもっと高かった)」と送ると、「Crazy !」と返事が来た。物価が高い国では、パフォーマンスが悪いことが、ほぼ自動的にコストパフォーマンスが悪いことを意味するのか。

一方、デンマークでは水くらいしか買えないような値段で日本で購入していった煎餅のお土産が、Airbnbのホスト2組に好評だった。旅行の中でも最高のコストパフォーマンスだったと思う。

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社会人の8泊程度の旅行なら、物価が高くても一時の我慢でいいだろう。しかし、例えば外国からの留学生が1年以上暮らすとなると、辛いものがあるかもしれない。各家庭の経済状況が学習環境へのアクセスの公平性に影響してしまう問題は、ポッドキャスト‘Rebuild’でMCの宮川さんが度々指摘していることでもある。