Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

まり・ド・トーキョー

前回はパリの街をなるべく歩くよう心がけていることを書いた。パリ市は他の国の首都と比べたらかなり面積が小さくて、それが20の区に分かれている。真ん中を東から西にセーヌ河が流れている。

地域によって雰囲気は様々で、暮らしていると、歩いていると、だんだんそれが体感できてくる。そして、それぞれの地域の特徴をとらえるとき、東京との比較で考えるととても便利なのです。東京も色んな小さな地域が複雑で細密なパッチワークをなして、全体ができているから。

東工大から交換留学で来ているまりちゃんがパリと東京を対応させるのが好きで、「私そこパリの代官山って呼んでるよ」「なるほどーここは丸の内ってわけか」etc.etc.独断と偏見にみちみちているけれど、なかなか的を射てもいて愉しい。シャンゼリゼ通りは表参道らしい。なるほどね。寮のあるポルト・デ・リラはというと、横浜の郊外とか埼玉と言われる。確かに、市の端っこぎりぎりの場所で、位置的にも雰囲気的にも、「パリに住んでいます」と言うのに一抹の後ろめたさを感じる場所ではある…。

僕が今まで歩いた中で一番好きだったのは、南西の15区のコンヴァンシオン通り付近で、なんとなく国立(くにたち)っぽいと思った。お店や道行く人や街路樹の混み具合が心地よかった。観光名所も有名建築も特にないけれど、だからこそ、あの落ち着きがあるのかもしれない。