Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

この星の光の地図を写す

イルリサットで犬橇に乗せてもらった男は、白熊の皮で作ったズボンを履いていた。彼に、スノーモービルは使わないのか?と尋ねると、「機械は壊れたら終わりだよ」という短い答えが返ってきた。極地で生き抜くための知恵には、それが受け継がれてきた明確な…

連休

自分の周りの人たちは大体そうだが、僕も連休は特に大きな予定はなく、後半に2泊帰省するほかは単発の予定がちらほらある程度だ。最初はつまらないなと思っていたけれど、これも実は良い時間の使い方ができているのではないかと、徐々に根拠なくポジティブ…

書かない心理

前回の更新から1か月近くが経った。これくらいの期間ブログから離れると、ずいぶん長く書いてないなぁと、なんとなくモヤモヤした気持ちがたまってくる。その間、それなりに出来事はあったのだが、書かないまま日が過ぎてしまうと、次に何か起こったときも…

マチネの彼方に

平野啓一郎の『マチネの終わりに』を会社の本好きの先輩に勧めたところ、読んだ先輩が絶賛してくれ、ついでにその奥さんも感激してくれ、たいそう感謝されたことは、自分の人生の中でも最大の達成のひとつだと、誇張でなく思っている。それから月日が経った…

アアルト展

やはり、アアルトの建築はとらえどころがない。 東京ステーションギャラリーで開催中のアルヴァ・アアルト展に行ってきた。世界を巡回中で、日本でも久々のアアルトの展覧会であるらしい。まとめ方は丁寧で、時代やテーマごとにアアルトの設計した建築やデザ…

カフェインセーブ

最近どこかで読んだ「カフェインを控えると健康に良い」という記事がふいに気になって、この一週間、自分もカフェインを摂取しない生活を送ってみた。それまでは大体一日に二回、午前と午後に一杯ずつコーヒーを飲んでいたのを、やめた、あるいはカフェイン…

象徴としてのバルサ

土曜日は東京に大雪の予報が出ていたので、熊本に日帰りで友人の結婚披露宴に行く予定だったのをやむなくキャンセルした。早朝から羽田空港に向かったのだが、その時点では行きの飛行機は出発が遅れそうだったし、帰りの飛行機は飛ぶかがわからない状況で、…

Debbie Tung

国や性別が違い、全く会ったこともないのに、自分と同じようなことを感じて毎日を過ごしているんだなぁと驚くことがあるとすれば、イギリスのイラストレーター、Debbie Tungの描く漫画はまさにそうだ。英語でも内容がわかりやすく、ユーモアがあり、絵がかわ…

映画復活か

台北に旅行していたときの宿のホストだったチェンは、僕と同じ歳くらいに見える物腰柔らかな男性で、3泊お世話になった間に話をする時間がけっこうあった。到着した夜は近所のおいしい肉そば屋さんに夕食に連れて行ってくれたし、2日目と3日目の夜はリビ…

葱の国

このあいだの休日、まだ午前中で人通りの少ない商店街を駅の方へ歩いていると、むこうから若い男性が歩いてきた。髪を整え、上下を黒で統一した服に、使い慣らした靴とリュックの赤色が映えている。センスのいい人だと思った。朝一で買い物に行ってきたのだ…

台湾へ

あけましておめでとうございます。前回の記事が中途半端なまま途切れていたけれど、那覇での友人の結婚披露宴はとてもよかった。沖縄出身の新婦が僕たちの友人で、彼女はピアニストなので、本人(とお姉さんの連弾)はもちろん、音楽つながりのゲストの方々…

那覇市へ

知人の結婚披露宴に出席するため、沖縄に来ている(辺野古へ土砂が投入されたこのタイミングで本州から沖縄に来るのは少し複雑な気持ちだ)。とはいえ、金曜日から2泊3日の日程のど真ん中、土曜日の正午から那覇市のホテルで披露宴なので、沖縄を回るとい…

本とノート

前回の記事、話としては「ラーメンを食べました、おいしかったです、いいお店だとおもいました」というだけのことなのに、書くのにけっこう難儀した。下書きを書いていてもどうにも考えがまとまらず、理由もないのにやたらと焦る。こういうときは字が汚いし…

いぶし銀

先日、近くに用事があったついでに、町田で一人で昼食を食べることになった。町田はラーメン激戦区ということで勇んでラーメン屋を探しはじめたが、運悪く閉店していたり休業中だったり…。昼の時刻もだいぶ過ぎ、昼ごはん難民になりかけたが、小田急線の線路…

猫と庄造と緑道の整備

家の近くの緑道に、休日になるといつもいる猫とおじさんがいる。細かいことは知らない。猫はたぶん野良猫。おじさんは40代か50代くらいの中肉中背の体格、左ハンドルの部分にスーパーかコンビニのレジ袋を提げた白いロードバイクを道にとめ、座り込んで猫に…

「見えない」

「ブラタモリ」など、多少なりとも建築や都市についての知識や素養があるとその分多く楽しめるであろうテレビ番組があったりするが、柴崎友香さんの小説は、読書におけるそれだと思う。芥川賞受賞作の「春の庭」など、街のささやかな移り変わりを捉えるセン…

鹿島アントラーズ観戦記(その2)

評判に聞いていた通り、カシマサッカースタジアムの雰囲気は素晴らしい。サッカー専用スタジアムのため陸上のトラックがなくピッチと観客席の距離が近いし、4万人ほど収容の規模感は大きすぎず小さすぎず、ちょうどいい。転売ヤーがまとめ買いしたチケット…

鹿島アントラーズ観戦記(その1)

11月3日の土曜日は、フットサルの友人に誘われて、サッカーのアジアチャンピオンズリーグの決勝戦の第1戦、鹿島アントラーズ対ペルセポリス(イラン)を、カシマサッカースタジアムに観に行ってきた。鹿島に試合を観に行ったことはなかったし、こんな大…

10. Louisiana's Enigma

最終泊となる9月22日の土曜日は、終日ルイジアナ美術館で過ごした。今回の旅のメインを、最後にとっておいたのだった。 土曜日はホテルで朝食をとり出発。気候は涼しく晴れている。コペンハーゲンから電車で海に沿って北上し、最寄りの駅から歩いて、11…

09. Oh, Sentimental Sweden

コペンハーゲンとスウェーデンのマルメを結ぶオースレン・リンク(橋および海底トンネル)が2000年に開通し、列車と自動車での行き来が可能となって以来、両都市はより身近となったという。僕も旅の後半の日、コペンハーゲンでの最後の宿となる市街地の…

08. Bjarke Ingels Groove

今回の旅で多くのスポットを訪れ、建築を見て回ったが、質・量ともに最も大きなインパクトを受けたのは、建築家ビャルケ・インゲルス −事務所名はBIG(Bjarke Ingels Group)− で間違いない。8泊9日の間に見た、ビャルケ・インゲルスが関わったプロジェク…

07. Comedian or Architect

スマホのメモに「ウッツォン」と打ったつもりでいたら、予測変換で間違いがあったのか、「ウッチャン」と保存されていた。こんなふうに、デンマークの建築家ヨーン・ウッツォン(1918-2008)は、日本の一般の人にはあまり馴染みがないかもしれない。しかし、…

06. Rebuild in Denmark

10年前の初めての海外一人旅とふたたび比較してみると、最も大きな変化のひとつはスマホの普及だろう。また、2年前の海外旅行と比べても、自分の中では日常的にポッドキャストやラジオを聴くという、まったく新しい趣味や習慣が身についていた。自分の生…

05. Super Prices

デンマークはとても物価が高い。それはわかっていたので、心して旅行に臨んだ。具体的には、初めて旅行中の出費を逐一ノートにメモした。例えばある日の昼食のマクドナルドは、現金で80デンマーククローネ(約1,500円)。出費を現金とカードに分けて、それ…

04. Super Danish

「スーパー・デニッシュ」という言葉は、建築雑誌「エーアンドユー」の2012年10月号のタイトルで、デンマークの若手建築家が活躍している状況を表したもの。その定義とは必ずしも一致しないが、この記事ではデンマークで見た建物を写真付きで簡単に紹…

03. Walking Messi Trip

2008年9月、大学3年生の夏休みに1か月間、フランスとスペインに初めての海外一人旅に行った。今回のデンマーク旅行はそれからちょうど10年となる。この間、自分にも社会にも実に多くの変化があった。しかしリオネル・メッシは10年前から世界のト…

02. Not Missing Heels

デンマークは物価が高く、ホテル代も高いので、初めてAirbnbを活用してみた。コペンハーゲンに8泊するうち、4泊と2泊は別々のAirbnb、最後の2泊は中心部のホテルに泊まった。 最初の4泊お世話になったアパートのホストのセリーヌは、事前にやりとりして…

01. Sumimasen Class Flight

9月15日から23日まで、8泊のデンマーク旅行に行ってきた。気候は快適、街はきれいで便利、そして人も皆親切にしてくれて、良い旅となった。自分の記録のために、少しずつ記事を書いていきたい。 とはいえ、この記事ではまだデンマークには到着せず、特…

デンマークへ

来週末から遅めの夏休みをとって、一週間デンマークに旅行に行ってくる。2年ぶりの海外旅行だ。 デンマークは、自分で調べても、行ったことのある人たちから話を聞いても、いたって安全で平和で快適なようだ。そして一般の人には馴染みが薄いかもしれないが…

TIMELESS / タイム / タイムレス / ノー・タイム

先の月曜日の夜、東京ではけたたましい雷が続いた。自分は幸いにも帰宅していたので、月でも見物するかのように窓を開けて雷の鑑賞をきめこんでいたが、ひっきりなしに続くあまりの轟音におそれをなして、家の三つの窓を全て閉めた。 ウォルター・デ・マリア…