Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

本とノート

前回の記事、話としては「ラーメンを食べました、おいしかったです、いいお店だとおもいました」というだけのことなのに、書くのにけっこう難儀した。下書きを書いていてもどうにも考えがまとまらず、理由もないのにやたらと焦る。こういうときは字が汚いし、言葉も思いつかず、文と文の接続もいまいち。それで一度は文章にまとめるのを諦めた。

気分転換に、その日に読み終わっていた本の内容をノートにまとめることにした。これはよくやるのだけれど、大したことではなくて、簡単なメモである。今回は20章からなるエッセイの本だったので、各章の題と、その内容を1センテンスでメモするだけ。半分はただの書き写しだ。ところが、始めてみると、先ほどまでのくさったような心持ちがみるみる落ち着いてきた。著者への敬意や愛着と、淡々と一章ずつ本をめくってはメモを書いてゆく単純作業に身を任せることが、気持ちを穏やかに静めるのか。ほぼA5サイズのノートの右側ちょうど1ページ分を使って書き終えたときにはすっかり悠然とした気分になっていたもので、すると不思議にも「いぶし銀」の話をスラスラと書くことが、少々気取った言い方をすれば、綴ることが、できたのだった。