Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

日常

この星の光の地図を写す

イルリサットで犬橇に乗せてもらった男は、白熊の皮で作ったズボンを履いていた。彼に、スノーモービルは使わないのか?と尋ねると、「機械は壊れたら終わりだよ」という短い答えが返ってきた。極地で生き抜くための知恵には、それが受け継がれてきた明確な…

連休

自分の周りの人たちは大体そうだが、僕も連休は特に大きな予定はなく、後半に2泊帰省するほかは単発の予定がちらほらある程度だ。最初はつまらないなと思っていたけれど、これも実は良い時間の使い方ができているのではないかと、徐々に根拠なくポジティブ…

書かない心理

前回の更新から1か月近くが経った。これくらいの期間ブログから離れると、ずいぶん長く書いてないなぁと、なんとなくモヤモヤした気持ちがたまってくる。その間、それなりに出来事はあったのだが、書かないまま日が過ぎてしまうと、次に何か起こったときも…

マチネの彼方に

平野啓一郎の『マチネの終わりに』を会社の本好きの先輩に勧めたところ、読んだ先輩が絶賛してくれ、ついでにその奥さんも感激してくれ、たいそう感謝されたことは、自分の人生の中でも最大の達成のひとつだと、誇張でなく思っている。それから月日が経った…

カフェインセーブ

最近どこかで読んだ「カフェインを控えると健康に良い」という記事がふいに気になって、この一週間、自分もカフェインを摂取しない生活を送ってみた。それまでは大体一日に二回、午前と午後に一杯ずつコーヒーを飲んでいたのを、やめた、あるいはカフェイン…

象徴としてのバルサ

土曜日は東京に大雪の予報が出ていたので、熊本に日帰りで友人の結婚披露宴に行く予定だったのをやむなくキャンセルした。早朝から羽田空港に向かったのだが、その時点では行きの飛行機は出発が遅れそうだったし、帰りの飛行機は飛ぶかがわからない状況で、…

Debbie Tung

国や性別が違い、全く会ったこともないのに、自分と同じようなことを感じて毎日を過ごしているんだなぁと驚くことがあるとすれば、イギリスのイラストレーター、Debbie Tungの描く漫画はまさにそうだ。英語でも内容がわかりやすく、ユーモアがあり、絵がかわ…

映画復活か

台北に旅行していたときの宿のホストだったチェンは、僕と同じ歳くらいに見える物腰柔らかな男性で、3泊お世話になった間に話をする時間がけっこうあった。到着した夜は近所のおいしい肉そば屋さんに夕食に連れて行ってくれたし、2日目と3日目の夜はリビ…

葱の国

このあいだの休日、まだ午前中で人通りの少ない商店街を駅の方へ歩いていると、むこうから若い男性が歩いてきた。髪を整え、上下を黒で統一した服に、使い慣らした靴とリュックの赤色が映えている。センスのいい人だと思った。朝一で買い物に行ってきたのだ…

台湾へ

あけましておめでとうございます。前回の記事が中途半端なまま途切れていたけれど、那覇での友人の結婚披露宴はとてもよかった。沖縄出身の新婦が僕たちの友人で、彼女はピアニストなので、本人(とお姉さんの連弾)はもちろん、音楽つながりのゲストの方々…

本とノート

前回の記事、話としては「ラーメンを食べました、おいしかったです、いいお店だとおもいました」というだけのことなのに、書くのにけっこう難儀した。下書きを書いていてもどうにも考えがまとまらず、理由もないのにやたらと焦る。こういうときは字が汚いし…

いぶし銀

先日、近くに用事があったついでに、町田で一人で昼食を食べることになった。町田はラーメン激戦区ということで勇んでラーメン屋を探しはじめたが、運悪く閉店していたり休業中だったり…。昼の時刻もだいぶ過ぎ、昼ごはん難民になりかけたが、小田急線の線路…

猫と庄造と緑道の整備

家の近くの緑道に、休日になるといつもいる猫とおじさんがいる。細かいことは知らない。猫はたぶん野良猫。おじさんは40代か50代くらいの中肉中背の体格、左ハンドルの部分にスーパーかコンビニのレジ袋を提げた白いロードバイクを道にとめ、座り込んで猫に…

「見えない」

「ブラタモリ」など、多少なりとも建築や都市についての知識や素養があるとその分多く楽しめるであろうテレビ番組があったりするが、柴崎友香さんの小説は、読書におけるそれだと思う。芥川賞受賞作の「春の庭」など、街のささやかな移り変わりを捉えるセン…

鹿島アントラーズ観戦記(その2)

評判に聞いていた通り、カシマサッカースタジアムの雰囲気は素晴らしい。サッカー専用スタジアムのため陸上のトラックがなくピッチと観客席の距離が近いし、4万人ほど収容の規模感は大きすぎず小さすぎず、ちょうどいい。転売ヤーがまとめ買いしたチケット…

鹿島アントラーズ観戦記(その1)

11月3日の土曜日は、フットサルの友人に誘われて、サッカーのアジアチャンピオンズリーグの決勝戦の第1戦、鹿島アントラーズ対ペルセポリス(イラン)を、カシマサッカースタジアムに観に行ってきた。鹿島に試合を観に行ったことはなかったし、こんな大…

デンマークへ

来週末から遅めの夏休みをとって、一週間デンマークに旅行に行ってくる。2年ぶりの海外旅行だ。 デンマークは、自分で調べても、行ったことのある人たちから話を聞いても、いたって安全で平和で快適なようだ。そして一般の人には馴染みが薄いかもしれないが…

悪や残虐

7月中旬以降の異常な暑さには参った。下旬になってやっと一旦涼しくなったと思ったら今度は台風だ。おのずと室内で過ごすことが多く、ワールドカップも終わったので、また読書の時間も増えた。 中でもハンガリー出身の作家アゴタ・クリストフの『悪童日記』…

フルコート

土曜日、フットサルの友人に誘われてサッカーの試合に助っ人として参加した。その友人も助っ人で、僕らが助太刀するチームはIT系の会社の人たちのチームだった。 場所は巣鴨駅の近く、イチョウの木々が立つ施設だった。なにしろ酷暑なので、試合では皆まずは…

フランス優勝

早いものでロシアワールドカップも終わった。今大会は好ゲームが続き、ファインゴールも多い非常に面白い大会で、心ゆくまで楽しんだ。 日本代表の健闘、ドイツのまさかのグループリーグ敗退、ベルギーやクロアチアの躍進、話題となったVARなどなど、語り出…

ヒッキー完全漢字

以前にも少し書いたけれど、自分は幼少期に習いごとでバイオリンを強いられていた経験から、心の中の、音楽を素直に楽しむための器官に深い損傷を受けた。それはほどんど取り返しがつかないもののように思われ、音楽にとどまらず自己肯定感の全般的な欠如に…

日本代表の件、アルゴリズムなど

1か月ほど前にサッカーには色々な種類の面白さがあるという話を書いたが、まさか日本代表がワールドカップの舞台で、サッカーにはこんな珍しい事態も起こるのだという例を示すことなるとは思わなかった。 勝つための戦略か、アンチフェアプレーか。この境界…

ガーデンウェディング

6月16日の土曜日、パリの留学仲間の結婚パーティーに招待され、参加した。留学で一緒だったのは「子どもたちに誇れるしごとを」している某ゼネコン勤務の新郎のほうだが、インテリアデザインの事務所で働いている奥さんとも彼を通じて面識があった。会場の座…

気概を胸に

情けない話だが、前回書いた5月末の一泊二日の研修で、心身ともに疲れ切ってしまった。さらに、それが原因で風邪をひいてしまい、以来一週間というもの苦しい日々が続いている。 しかしながら、こと仕事に関しては、最近整えられた会社のシステムを上手く活…

メンテナンス

家のそばの緑道の紫陽花のつぼみもふくらみ始めた初夏のこのごろ、先週くらいからこのブログのメンテナンス作業を続けている。利用するサービスを今の「はてなダイアリー」から、より機能の拡充した「はてなブログ」に移行しようとしている。せっかくなので…

ひどく絵になる乱太郎

先日、ふと思い立って若手の創作家のトークイベントを聴きに行った。詩人の大崎清夏さん、歌人の伊波真人さんの対談。自分には馴染みのない分野だったけれど、お知らせのポスターを見かけた時に直感的に惹かれたのだった。あとはその日時に暇があったから。3…

クロースの言葉から

連休は遠くには出かけず、東京でフットサルなどをして過ごしていた。それよりも、例年のとおり、この時期は欧州サッカーのチャンピオンズリーグが佳境である。録画で見た準決勝レアル・マドリードvsバイエルン・ミュンヘンのセカンドレグは、まさに現代サッ…

フランソワ賞の設立

ずいぶん前にブログに書いたことだけれど、学生時代は、サッカーの世界最優秀選手賞「バロンドール」にインスパイアされて、自分の身近な人でシーズンを通して最も印象に残った人、かつ後から振り返って大きな影響を受けた人に、脳内で勝手に自分版バロンド…

走ることについて語る人たちに語ってほしいこと

今週は普段とはちがう不慣れな仕事に従事していたこともあり、木曜日あたりからそろそろ集中力の疲労が著しくなってきた。けれども金曜日にはどうにか来週への目処が立ち、明るいうちに家に帰ることができた。その日は晴れていて暖かかったので、久しぶりに…

ですます調

先週の時点では決めかねていた個人テーマ研究は、単純ながら、建築を見に行って文章にまとめるというものにした。月一のペースで定期的に更新することが目標。また、切り口や掘り下げ方の工夫が必要とも思っている。ラフなメモを持って部長に説明にいったと…