Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

2010-01-01から1年間の記事一覧

ヴィーナスとニケ

先週書いたように、ルーヴル美術館に少しずつ通っている。古代ギリシャ美術では、やはりミロのヴィーナスとサモトラケのニケが一番強く印象に残った。自分も凡人だなあ。もっとも、展示のされ方からして、明らかにこの二つは特別扱いされているのだが。[ミロ…

12月25日

今、AUSMIP*1の留学生たちの多くがパリに集結している。ノエル当日の12月25日、パリは今月の天気からすると奇跡的なくらいの快晴に恵まれた。まず3人のAUSMIP生とノートルダム大聖堂のミサに行ってみる。何度訪れても圧倒的に感動する空間だ。配られた紙を見…

「ルーヴル作戦」をはじめよう

クリスマス&年末になって、すっかり冬休みモードになった。DGT事務所のインターン生たちもそれぞれの国に里帰りし、学校も自然消滅的に今年の授業が終わった。去年は大晦日の午前までほぼ休みなく卒業設計のことをし続けていたのが、ずいぶん変わったもんだ…

パリ訪問

部屋の壁にかかっているヨーロッパの大きな地図を眺めると、パリが欧州のどこから来てどこに行くにも便利な場所にあることがよくわかる。それもあってか、この12月は日本やヨーロッパの留学先からパリに遊びに来る友達が多い。今月始めには熊高サッカー部で…

‘われらの貴婦人'にて

‘われらの貴婦人'の意味を表すノートルダム。火曜日の夜、ノートルダム大聖堂でパイプオルガンのコンサートがあった。テレビの「世界遺産」でしか見たことのなかったような、厳かな空気と音響。明かりが低い位置に抑えられた、やや薄暗い大空間のふもとで、…

光の都市(リヨン旅行記 4)

夕方にリヨンに戻ってきてから帰りのTGVまで時間があったので、少し休息してから、福地ときょうすけとレンゾ・ピアノの「国際都市」へ行く。集住、オフィス、ホテル等のメガ・コンプレックスなので、ショッピングセンターのようなアーケード形式になってしま…

コルビュジエ巡り(リヨン旅行記 3)

リヨンの旅の二日目は、6人が二手に分かれる。河合さん、まりちゃん、たくはラ・トゥーレット修道院へ。福地、きょうすけ、僕はフィルミニの町へ。どちらもコルビュジエ巡りだ。リヨンから電車で約一時間、フィルミニ駅で降りると一段と寒い。ここはいわゆる…

「光の祭典」(リヨン旅行記 2)

「光の祭典」(Fete des Lumieres)は4日間で300万人が訪れるリヨンの名物。建物のライトアップと、何十ものスポットでの光のアートで街中が彩られる。 一杯1.5〜2ユーロのヴァン・ショ(=熱いワイン)や温かい食べ物でこまめに体温を回復させながら、迷子…

大人気のリヨン(リヨン旅行記 1)

11〜12日の土日は、交換留学生のみんな(福地、たく、きょうすけ、河合さん、まりちゃん)と、リヨンに一泊二日の旅行に行きました。観光や建築めぐりと、「光の祭典」を見てきました!記事は四回に分けて、一日ずつ更新していく予定なので、お楽しみに。11…

プレゼン前夜

水曜日のインターンはコンペのプレゼンの前日だったので、追い込みが大変だった。僕は数日かけてプレゼン用の模型を完成にこぎつける。その後もべつの模型やフォトショップでの作業など、卒業設計の手伝いよろしく細かい仕事を次々に指示される。午前2時半、…

インターン近況

DGTでのインターンは、松本市のプロジェクトが一段落着いて、今は展示会場の設計のコンペを手伝っている。これが締め切り直前ということで、先週末は土日も働いた。これに普段の月、火、水も含めて5日連続で出勤なのでなかなかにしんどい。全国への道はなか…

坂の上の雲という名前

自然界には実に多様な空間があり、例えば「霧」など、それ以外には呼びようのない名前がつけられているものがある。人間の作った空間にも、ブルネレスキやミケランジェロの「大ドーム」など、数は少ないがそのような独創的な空間がある。....そういうわけで…

日本建築史の授業

金曜日の朝9時からの日本建築史の授業に行くようになった。金曜には11時から必修の授業、14時からプロジェがあるので、ついでの気分で出ることに。まだ二回しか出席していないけれど…。日本に関心があるのか、ヴィクトワールら同じプロジェのメンバーたちも…

ドゥマンの家探し

僕たち日本人の交換留学生は学校側があっせんしてくれるままに寮に入ることができたが、パリで住む部屋を探すのは普通なかなか大変で、今日の記事は、同じプロジェをとっているスロベニアの留学生ドゥマンの家探しの話。9月にあった留学生のためのフランス語…

冬来たる

日曜日の夜、寮の地上階にあるカフェテリアはひっそりとしていて、本を読む僕と、明日のプロジェに向けて作業している福地しかいなかった。午前1時、その日の読書を終えて何気なく外を見ると、あっ、雪。 そして翌日の朝にはご覧の景色に。1年を通してパリで…

ヴェルサイユへ

土曜日、留学仲間のきょうすけと、ヨーロッパに一人旅中の佐賀大の建築の女の子とヴェルサイユを見に行った。とはいえ、大きくて豪華という以上の感想は特には持たなかった。2年前に訪れたスペインのアルハンブラは、2日連続で通って計12時間過ごすほどだっ…

がまんの時期

インターンに通い始めて4週目に入るが、まだまだ苦労している段階だ。AutoCADでの作図をちょっと頼まれただけでも、操作時方法を聞きながら少しずつしか進まない。印刷の設定がよくわからず何度もミスる。まだ気持ちが張ってるなぁと自分でも思う。今度ボス…

サン・ジェルマン・アン・レー

土曜日は午前は授業で午後はフリー。というわけで先週の土曜はパリから西に郊外鉄道で20分の町サン・ジェルマン・アン・レーに出かける。週末にパリから「足をのばす」という表現がぴったり。サン・ジェルマン・アン・レーは高台の町で、名所として、町の東…

印象に残っている2冊

『わが友マキアヴェッリ』を2か月ぶりに読み始めたが、感銘を受けそうな本をあえて途中で読むのをやめて、想像を刺激するという読書術はあるらしい。たしかに、前にも半分ほど読んで中断して、数か月後に最初から読み通して強く印象に残った本がある。しかも…

満を持してマキアヴェッリ

ひさかたぶりに日本語の本の読書をはじめた。塩野七生の『わが友マキアヴェッリ』の文庫版全3冊で、ルネサンス時代のフィレンツェ共和国に仕え、『君主論』を著した政治思想家であるニコロ・マキアヴェッリの生涯を書いた小説。成田空港で買ってフランスに来…

ベルヴィルの写真たち

インターン先の事務所-DGTの近所の写真を紹介します。中国人街ベルヴィルにあり、エレガントで高級感のあるパリという先入観的なイメージとはほど遠い場所だ。駐輪していた自転車が盗まれるなどたぶん日常茶飯事であろう。とはいえ、中国系をはじめさまざま…

火曜日の昼

火曜日は午前中に学校で授業があり、午後からインターンに行く。10日ぶりくらいで晴れたので、学校のあるラ・ヴィレットから事務所のあるベルヴィルまで、普段メトロで移動するところを40分ほど歩いた。これがなかなか良いルート。運河があり、市場も通り、…

「ロシュフォールの恋人たち」

Les Demoiselles de Rochefort (1966)また1週間遅れだが、先週末もシネマテーク・フランセーズでミュージカル映画「ロシュフォールの恋人たち」を観た。日本でも人気の「シェルブールの雨傘」のパート2みたいな映画で、同じジャック・ドゥミ監督だが、カトリ…

サイトウ・キネン

インターンで手伝うことになったのは、なんと僕の生まれ故郷の長野県松本市でのプロジェクトだった。松本で毎年夏に行われる「サイトウ・キネン・フェスティバル」という音楽祭があって、来年のオペラの舞台設計をたまたまこの事務所(以下DGT)が担当してい…

仕事はじめ

先週から月曜、火曜午後、水曜の週3日インターン(フランスではスタージュという)で働き出した。一応給料ももらえる。Dorell.Ghotmeh.Tane / Architects-DGTという事務所で、ボスはイタリア人(後日訂正:イタリアとイスラエルのハーフ)のダン・ドレル、レ…

「柔らかい肌」

すっかりおなじみになったシネマテーク・フランセーズで、先日はトリュフォーの「柔らかい肌」を観た。(実際は10月30日(土)に観たのだけど、サヴォア邸の記事をアップしていたので1週間遅れです。)その前に言っておきたいのだが、ジャン・リュック・ゴダ…

おとどけもの

2週間ほど前のこと、とある先輩から一通のメッセージが届いて、どんな叱咤激励がつづられているのかと期待して開いてみると、 「フランス語のボサノバアニソンを見つけて、かなりつぼったので送ります。ここからダウンロードできるよ。....」早速ダウンロー…

サヴォア邸 (2)

(今回は木内さんの受け売りも多く含まれているけれど、僕のバイアスがかかったものなので、ご了承を。)木内さんは「現象として見たい」と言う。それは視覚的、映像的ということになるらしく、誰でも建物の細部を気付く・気付かないに関わらず見ているので、…

サヴォア邸 (1)

日曜日、旅行で来て以来2年ぶりにコルビュジエのサヴォア邸を訪れた。すると岸田研の助教授の木内さんに会ってびっくり。数ヶ月ヴェネツィアを中心にヨーロッパに滞在するとのこと。ル・コルビュジエとカルロ・スカルパを主に回るという。サヴォア邸の中に入…

プロジェの学生たち

同じプロジェを履修している学生は20人ほどで、国籍はさまざま。ただ作業内容に関しても先生のイニシアチブが強いので、分析のアウトプットは皆似たり寄ったりだと感じる。「面白い」ことに至上の価値が置かれている感もある日本の建築学科とは少し違う雰囲…