Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

仕事はじめ2

火曜日から「モバシュ・ペイザジスト」でのスタージュに通いだした。スタッフは3人、スタージュ生も今は僕だけの、意外に小さな事務所だ。僕と入れ違いでボスのカトリーヌと日本人スタッフの戸村さんが中国に出張に出かけたので、しばらくはマリオンとソレン…

歩きつかれて

イギリス旅行から無事に帰ってきた。最後のスコットランドも寒くはなかったが、パリはもう冬服にさようならを告げられる初夏の気候だ。旅行は、楽しかったというよりはきつかったという思いが強い。もっと後になれば楽しい思い出として振り返ることにもなろ…

チャールズ・レニー・マッキントッシュ(イギリス旅行記 17)

最後の滞在地、スコットランドで一番の大都市グラスゴーに着く。グラスゴーの街は…まあ、ね。エディンバラと比べるのは気の毒というものだ。グラスゴーといえば、20世紀前後の建築家・画家のチャールズ・レニー・マッキントッシュが活躍した街で、彼の建築を…

懐かしい街(イギリス旅行記 16)

建築学科に進学したばかりの大学二年生の冬学期、神田先生の講義で、先生がエディンバラにいたことがあると聞いた。そのとき「いいな、行ってみたいな」と思った覚えがある。あれから三年半が経ってこうして来られたのだから、ぼんやり思っていることは意外…

パリに初めて来た時のように(イギリス旅行記 15)

エディンバラは玄武岩溶岩の上に街が出来ていて、溶岩が氷河に削り取られた残丘の岩山が残る(ウィキペディアより)。街の基本的な骨格は、ニュータウンとオールドタウンが谷を挟んで対照的な姿を見せていてわかりやすい。ニュータウンは18世紀以降の都市計…

エディンバラの写真たち(イギリス旅行記 14)

旅も終盤、スコットランドの首都エディンバラにやって来た。ニューキャッスルから移動して昼頃に着き、その日の半日歩いたところで、この街はよく見ておかなければならないと直覚し、予定より多く3泊滞在した。 今日の記事は写真編。なにしろフォトジェニッ…

これがハドリアヌス(イギリス旅行記 13)

今日はニューキャッスルから日帰りで世界遺産のハドリアヌスの長城(Hadrian's Wall)に行く。ローマ帝国の皇帝ハドリアヌスがケルト人の侵入を防ぐために建設した城壁だ。ニューキャッスルの観光案内所のおばさんに従って、バスで一時間ほど離れたド田舎で…

双子都市、橋、天使(イギリス旅行記 12)

湖水地方を発ち、次の街ニューキャッスルへ。イングランド北部、タイン川を挟んでゲーツヘッドと双子都市をなす。昼過ぎに到着し、宿のチェックインを済ませて街へ出かける。こぢんまりとした街並みを通ってまずはタイン川へ下りてみる。と、いきなりミレニ…

風光絶佳(イギリス旅行記 11)

今日は朝早く目が覚めた。午前は宿の周りを散策する。昼からバスでウィンダミアの町へ行く。町を少し歩いてから店に入り、昼食をとる。本日のスープ(マッシュルームだった)とマキアートが美味しかった。それから近くの小高い丘オレスト・ヘッドに登る。頂…

湖のユースホステル(イギリス旅行記 10)

夜10時頃、宿のロビーで休んでいると、突然ダーンという銃声が響いた。どうやら116号室かららしい。受付にいたキャスリーン嬢が合鍵で部屋に入り電気をつけると、悲鳴を上げた。男が心臓を撃ちぬかれた死体となって仰向けに横たわっていた!無人の部屋、湖に…

羊をめぐるのどかな冒険(イギリス旅行記 9)

約二十日間のイギリス旅行の中で、最も良かったのが、終盤のエディンバラと、これから書く湖水地方(Lake District)だった。湖水地方はイギリスの中では山岳地帯にあり、湖の点在する景勝地。豊かな自然の中で3泊4日過ごした。羊の牧場が多く、人間よりも羊…

ビートルズ・ストーリー(イギリス旅行記 8)

リヴァプールの港のアルバート・ドックの一角に「ビートルズ・ストーリー」という名の博物館がある。展示と日本語のオーディオガイドとで、四人の少年時代からビートルズ解散までの経緯を知ることができる。少し入館料は高いが実に充実した内容で、30個ほど…

リヴァプール〜チェスター(イギリス旅行記 7)

今日はまずリヴァプールからバスでチェスターの街へ行ってくる。チェスターには建築・都市の見学に行ったという意識だ。城壁の中に道が十字に通るという古代ローマ都市の骨格がまことにわかりやすい。そして、十字に交差するメインストリートの2階レベルの公…

持たざる街(イギリス旅行記 6)

今日はロンドンからリヴァプールへの移動日。途中、太田先生が都市デザインの授業(面白い授業だった)で称賛していたバーミンガムに寄る。13時に到着し、何時間も歩き回り続けてみる。たしかにイギリス第二の人口の都市だけあって活気がある。何がそんなに…

バースと「三日月」(イギリス旅行記 5)

ロンドンから日帰りでバースへ行く。古代ローマの公共浴場の遺跡などがある人気観光地だ。昼過ぎにバースに到着。山あいの地形のなか、はちみつ色の街並みがかわいらしい。さっそくローマン・バスに行く。この遺跡は街のど真ん中にあって、現在では当時より…

でっかい公園たち(イギリス旅行記 4)

ケンジントン・ガーデンズにて。(ピーター・パンの像) セント・ジェイムズ・パークにて。 リージェンツ・パークにて。ロンドンを歩きながら、よく公園を通り抜けたり、座って休んだりしていた。たとえばリージェンツ・パークでは、バナナシェイクを美味し…

ケンブリッジの土曜日(イギリス旅行記 3)

今日はロンドンから日帰りでケンブリッジの街へ行く。ケンブリッジ大学を中心に発展した学問の都だ。バスが着いたところがいきなり広い芝生の公園だ。春の陽気、天気は快晴。土曜日の昼、小さな街は観光客などの人波でごった返している。ケンブリッジ大学の…

テート・モダン(イギリス旅行記 2)

テムズ河沿いに位置する、火力発電所をリノベーションした美術館。コンペで選ばれた設計者、スイスのヘルツォーク&ド・ムーロンは、北京五輪のスタジアム「鳥の巣」の建築家ユニットでもある。タービンホールの大空間にいきなり圧倒される。無意味な大空間…

シティ・オブ・ロンドン(イギリス旅行記 1)

ロンドンもすっかり暖かく緑づいている。一年の中でも一番いい季節に来たのかもしれない。地下鉄やバスや徒歩でひたすら歩き回ってみる。大都会らしく大いに賑わい、半袖の人も多い。これがロンドンファッションかなと思う若者もいる。ロンドンと言えばテム…

イギリスへ行ってきます

「我々は小さいが偉大な国だ。 シェークスピア、チャーチル、ビートルズ、ショーン・コネリー、ハリー・ポッター。 …デイヴィッド・ベッカムの右足。…彼の左足もまた素晴らしい。…」「ラブ・アクチュアリー」でヒュー・グラント演じる首相がこう語ったイギリ…

緑にまつわるエトセトラ

去年の夏学期にランドスケープデザイナーの石川幹子先生のスタジオ課題をとったのが最初のきっかけだと思う。石川先生のエスキスからは、都市工学やランドスケープの観点からのロジックがあることを感じたが、でもそれが自分の中でうまく消化できないまま課…

次なるスタージュ

4月はこれからイギリスに2週間半の旅行に出かける。そして帰ってきてからのインターン先が決まった。カトリーヌ・モバシュという人の事務所だが、この人は建築家ではない。ランドスケープ・アーキテクト(フランス語ではペイザジスト)だ。「ボンジュール。…

メスとナンシー

日曜日はフランス東部の街メスに、坂茂の設計で最近オープンしたポンピドゥー・センター・メスを見に行く。メンバーは河合さん、福地と、彼の後輩で旅行に来ている千葉大の4年生。 パリの東駅からTGVで90分、メスに降りるとどーんと構えている。建物まで来る…