Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

02. Not Missing Heels

デンマークは物価が高く、ホテル代も高いので、初めてAirbnbを活用してみた。コペンハーゲンに8泊するうち、4泊と2泊は別々のAirbnb、最後の2泊は中心部のホテルに泊まった。

最初の4泊お世話になったアパートのホストのセリーヌは、事前にやりとりしている中では、当日コペンハーゲンにいるかわからないと伝えてくれていた。異国の街で一人、他人の家で暮らすのだとしたら、多和田葉子さんの日本デビュー作「かかとを失くして」のような体験となる。話のタネとしては面白そうだが、やはり現地の人が家にいてくれた方が心強い。そんなことを考えつつコペンハーゲンの空港に着くと、結局セリーヌは家にいる、ただ僕が着く時刻にはちょっと外出しているだろうと連絡が来た。

アパートはコペンハーゲンの中心部から北に数キロ離れた住宅街のノアブロというエリアにあり、空港からメトロや電車を乗り換えて夕方に到着。郵便受けに入れておいてくれた鍵で4階の家の中に入ると、3DKの十分な広さのお家だ。最上階なので、屋根の斜めの形が天井に現れている。僕は個室ひとつを使ってよく、キッチンとシャワー室は共用。

さっそく近所の様子を見ようと外出すると、どうやらノアブロはムスリムの人たちも多く暮らす移民街のようなところで、(こう言ってよければ)有色人種の人たちが行き交い雑然としている。旅行前に周りの人たちから聞かされた、おとぎの国のようだというデンマークのイメージとは違っていて少し戸惑った。が、身の危険を感じるようなことはないし、都市の様々な側面を見られるのは良いことだ、シメシメとすぐに意識高く気持ちを切り替えることにした。スーパーで食料品を買い込んだところ、買い物袋を持っておらず、パンと2リットルの水をそのまま手に持って帰ることに。日本の感覚で買い物をして、迂闊だった。家に戻るとセリーヌも帰宅していて、挨拶する。すらっと姿勢がよく、スポーツ好きの気さくな女性だ。

次のAirbnb宿のアパートも、1キロしか離れていない近所だった。ただこちらの方が閑静な住宅街というエリア。ずいぶんと雰囲気が違う。ホストのクララとニールスもこれまた人好きのする性格で、チェックインの段取りなどもずいぶんマメに連絡をくれた。旅行の後半になるころには、コペンハーゲンに関しては、それほどかかとを失くしはしなかったようだ、と思っていた。

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