ギャル・デュ・ノール(北駅)
金曜日に午後の授業まで時間があったので、ギャル・デュ・ノール(Gare du Nord 北駅)を見に行ってきた。フランス北部、東/北ヨーロッパに対する玄関口となる終着駅で、19世紀中頃に作られた名作建築だ。
かぽーんとプラットフォームを覆う巨大な切妻屋根と、駅の入り口からホームまで全く段差なくのびやかに広がる床が気持ちいい。なぜこの明快な構成ができるかというと…
終着駅であること。改札がないこと(車掌が車内で検札するシステムだから)。
その屋根と床のあいだをカフェ、レストラン、休憩スペースなどが埋めているのだけれど、一体感のある大きな空間の中で人が行き交う様子を眺める視点が無数にあって、日本のいわゆるエキナカとは全く異質だ。
駅舎が人の居場所としても心地いい場所になっている。試みに短編の名手の作家を10人くらい連れてきてみようよ。すると、僕がクロワッサンと紅茶でもいただいている間にほら、10話のアンソロジーのできあがり。