Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

メゾン・カレ

今回は、僕としてはこのブログにちゃんと出てくるのが楽しみだった名前が二つ同時に登場する。

建築学科の同級生で今年の2月からチューリッヒのETH(スイス連邦工科大学)に留学している岳彦が、夏休みでパリに旅行に来ていてうちに泊まっている。元気そうだ。ETHの素晴らしい建築教育と環境の話は特に刺激的だった。
アルヴァ・アールトはフィンランドの近代建築の巨匠で、作曲家のシベリウスと並んでフィンランドの英雄である。


暖かく晴れた土曜日、岳彦と福地とパリ郊外にあるアールトが手がけた住宅メゾン・カレを見学に行った。僕の適当な計画のためバスに乗る予定がタクシーになってしまって申し訳なかったけど。のどかなペイザージュ(=風景)をしばらく走ると、林の中の恵まれた敷地に建つメゾン・カレに到着する。

僕たちにとって初めて見たアールトの建築。レンガや石や木の自然素材の味わい、繊細なスケール感、美しく落ち着いた家具のデザイン、そしてやわらかい光の扱い―それらを知りつくした巨匠の名人芸を見る思いだった。ガイドツアーの見学時間が限られていなかったら、いつまでもそこにいたいような家…。しかし一緒に行った二人も指摘していたように、プランニングなどで謎めいた部分もある。本国フィンランドのアールトの作品への関心と期待も高まりつつメゾン・カレを後にした。

夜はそのまま逆側のパリ郊外に移動し、東大の社会基盤学科から土木の学校ポンゼショッセに留学中の三人の家での飲み会に参加。ピアニストとバイオリニストの子も来ていた。和食の料理やギターの演奏でもてなしてくれて感謝であった。