Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

14 juillet, Tour Eiffel

7月14日はフランスの革命記念日だった。僕は昼過ぎまで部屋でダウンしていて、19時半ごろに出発した。行き先はエッフェル塔のふもとのシャン・ド・マルス公園。AUSMIPパリ組の皆と合流して、エッフェル塔での花火を見ようと思っていた。

シャン・ド・マルスに着くと、ミュージシャンのライブが行われている。大変な人出だ。夕焼けをバックにしたエッフェル塔は筆舌に尽くしがたい。ところが肝心のケータイがどうしてもつながらず、合流できない。この広い公園内でケータイなしで皆を見つけるのは不可能だ…。

さて、合流するのをあきらめたら、何もシャン・ド・マルスにいる必要はないように思った。まだしばらくライブは続きそうだ、人ごみを抜けて、至近距離でなくとも、チュイルリーあたりから花火を見るのもいいだろう、帰りのメトロを考えてもそれがかしこい、セーヌ河の右岸の河岸を歩いていけば、エッフェル塔が見える位置をキープし続けられる、などと考えて歩き始めた。

歩いていくと、橋でも河岸でも、花火を待ちながら誰もがエッフェル塔に身体を向け、視線を向け、カメラを向けている。見る人すべてが、あれは「自分の」塔だ、と感じることのできる塔であるから。エースの独り舞台。

一方、木が影になったりしてエッフェル塔が見えない所には、めっきりひとけがない。パリ中のあらゆる場所が、エッフェル塔が見えるか見えないかという単純なクライテリアによって二分されているスペシャルな時間だ。

歩いていた途中、23時ちょうどになり、エッフェル塔を照らす照明が最長部を残して落とされる。そして花火が始まった。トリコロール色の花火を皮切りに、間断なく打ち上げられる。

コンコルド広場まで来ても、まだ人並みは絶えない。肩車の子の写真はそこで撮ったもの。ルーヴルまで着いた頃、花火が終わったようだ。エッフェル塔もオレンジ色のライトアップに戻った。シャトレからいつものメトロ11番線にすべり込んだ頃には、街行く人も普段どおりに見えた。