Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

キューブリックの異常な才能

シネマテーク・フランセーズではずっとスタンリー・キューブリックの企画展が開かれていたが、日曜日にやっと行ってきた。ちなみに映画の上映でのキューブリック特集は三月頃にあって、一月のヒッチコックをしのぐかと思うほどの人気だった。チケットを買う列に並んでいた途中で売り切れて、観られずに帰った日が何日もあった。さらに、展覧会も大人気。



時計じかけのオレンジこと悪の権化アレックスは、何か月もの長期間ベルシー公園に君臨して、、、



平日の夜や休日はいつも企画展のチケット売り場に大行列が。


そして本題のキューブリック展は、予備知識は必要であろうが、個人的には今までの人生で行った展覧会(ジャンルに関わらず)の中でも最高級に良かった。まずは当然、キューブリックがすごい監督であること。次に、映像、写真、小道具などの展示の質と量がたいへん充実していたこと。
何の衒いもなく、全ての作品の展示を古い順にひとつずつ回っていくのだが、それぞれの映画はテーマも舞台設定も全く違うので飽きることがない。

僕が観たことがあるのは数本だけだが、全ての作品がスキャンダラスで傑作だったと言われるキューブリック。それらの展示を一斉に見せられては、マイリマシタと脱帽するしかない。この企画展、東京にも来てくれないだろうか。


東京と書いて思いついたのだが、もしキューブリックが日本の戦争をテーマにした映画を撮っていたら、どんなものを作ってくれただろうか。冷戦やヴェトナム戦争など、キューブリック映画には戦争を扱ったものがいくつかある。日本の戦争を取り上げても、必ずや日本人の身が引き締まるような痛烈な映画を作ってくれたと思うのだが。