Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

ちひろ美術館・東京


ひまを見つけて行ってきました。

練馬区の閑静な住宅地にあずき色の建物がそっとたたずむ。いびつに分けられた平面は、良心的なヒューマンスケールを作り出している。内外共に金属・コンクリート・木などの材料をバランスよく配置しているところはさすが内藤廣

あまり褒めすぎるとズントー内藤派などと揶揄されるけれど、「なんとなく、打ちはなし」「とりあえず、ガラス張り」みたいな建物が世に多いなかで、建築は物質によって成り立っているという基本を誠実に表現している建築を訪れると安心する。


いわさきちひろの絵もとても好き。子供ができたら彼女の絵本を読んで聞かせたいと思うくらい。水彩の淡い色彩や、多くを描かずに想像を刺激するような、俳句にも通じるような感性はどこか懐かしい。

安曇野と東京を合わせると、ちひろ美術館には2年に1回くらいで行っているから、新しいものに触れに行くというより、会いたい知り合いに会いに行くような感覚。いわさきちひろの生前の生活について展示されているコーナーには「大人になること」という小文があって、これはいつもしんとした気持ちになって読んでしまう。なんと肌触りのいい、優しさにあふれた文章だろうと思いつつ。