Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

結果と反省と

GSの一週間は、班の4人で和気あいあいと進めることができた。険悪な雰囲気になることもなく、「くるたのしい」ワークショップになった。

そんな僕らが敷地に計画したのは、墓地だった。最初は普通に地域交流施設のようなハッピーなプログラムについて話し合っていたが、皆どこか違和感を感じていて、それよりも、死者を思える場所、他者への想像力を感じられる場所を目指すほうが、実感が込もった。今の都市に欠けているそんな場所への欲求、希求というか。とはいえ、誰も来たくないような暗い場所を作りたかったのではなく、お墓参りなどを通して人が集まるきっかけにもなればと考えた。一見変わった計画なので、自分一人ではできなかったと思う。

僕も含めて班のメンバーはそれぞれ槇文彦の「風邪の丘葬祭場」、スカルパの「ブリオン・ヴェガ」、そしてアスプルンドの「森の墓地」などを訪れて感銘を受けていて、そういう場所の力を頑固に信じていたこともあった。


わずか一週間のワークショップにしてはテーマが深すぎて、講師の先生方との議論も自然と白熱していった。このワークショップが牛久市を敷地にして3年目になるが、墓地を作った班は今までなかったので、興味を持ってもらえた、というか大いに心配された。また、チューターの佐多さんは仕事帰りの夜遅くに熱心に顔を出してくれたし、らんさんに至っては違うチームのチューターなのに、墓地の設計の経験が豊富ということで多くのアドバイスをくれた。

結果としての順位はまあまあ。ある程度自分たちの熱意は表現できたが、墓地という既成概念から抜け出しきれなかった反省も大きい。悼むとはどういうことか、そういう本質に立ち戻って考えていたつもりではあったけれど。個人的には建築専攻の学生として、ストーリーやソフトから考える姿勢をもっと学ばなければならないと痛感した。自分たちの成果物の証拠として提出した時点の画像を載せたいけれど、今は自分のパソコンを学校に置きっぱなしなので、後日アップしよう。




最後に、内藤さんがエスキスの際にアスプルンドについて語った言葉を。僕が現地で感じた感銘が、いくばくか腑に落ちた気がした。

「都市衛生上の要求があるとはいえ、宗教的にも忌み嫌われるものだった火葬という行為。それをアスプルンドはデザインの力で乗り越えようとした。一生をかけて。」