Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

建築学生のための…

東大の建築学科の卒業設計の最優秀賞を辰野賞といい、さらにその中で一人、♪♪円の賞金をもらって海外に研修に行けるコンドル賞が選ばれる。僕らの学年のコンドル賞受賞者は、北京のMAD architectsという事務所で半年間働いてきた。

そんな「MADな川島」の企画で、主に学部の3、4年生に向けて修士以降に海外に留学や研修に行く様々な方法を知ってもらおうという趣旨のセミナーが催された。情報の限られた学部生にとって非常に良いことだ。それぞれのケースの概略、費用、現地での生活などを簡単にプレゼンする。僕も僭越ながら、交換留学制度オースミップの代表として話した(ちなみにこの制度は今のところ、来年以降の奨学金がおりるメドがたっていない)。

北京を皮切りに、チューリッヒ、パリ、ベトナムアメリカ。最後の二人はこれから渡航する段階だが、五者五様の海外経験の違いが各発表に出ていたと思う。

ところでこの会を終えて、3学年上の服部さんがパリに留学していた頃のブログ"Parisketchbook"を院試勉強の息抜きに読んでいたことを思い出した。その歯切れの良い闊達な文章は筆者が自らの思考と行動に常人の何倍もの圧力をかけることができる人であることを証し立てていて、今思えば、僕の留学の遠因になったかもしれない。あれから3年。気づいたら自分たちも後輩に何らかの影響力を与える立場になったのか。…などと灌漑に浸ってばかりいても情けないが。

それにご注意。今日のたった5例に限らず、海外への飛び出し方ひとつとってもまだいくらでもあるはずだ。だから自分が建築学生の経験や進路についてわかったような口をきくのは大変に気が引ける。選択肢や可能性というのはたいてい、自分一人が考えているよりずっと多い。