かたむけ〜さかさま

「南北を逆さにしてみた地中海の地図は、ヨーロッパが広大なサハラ砂漠に押しつぶされそうになっている姿が印象的で、地中海が古来よりヨーロッパとアフリカを隔てると同時につなぐものであったことが改めて実感できる」みたいな内容を何かで読んだことがある。

建築の設計でも、とりあえず作ってみた模型や描いてみた図面を逆さにしたり90度回転させてみたりするのを試すのは基本的なプロセスだ。なら、大学ノートを書いていく時も、何も罫線に沿って書いていかなくたっていいじゃないか、と、最近発見した。今さらという感じだが…。

修論についてのノートは、読んだ参考文献のまとめなどは整然と書くことを心がける。しかし、次の作業のリストを作ったりするとき、気分転換したり、詰まってきた「根（こん）」をずらして気楽にアイデアを出したいとき。そんなときは、わざとノートを逆さまにしたり斜めに傾けて書いたりするのがとても効果的だと気づいた。180度反対から書き出して、数行ごとに少しずつ傾けていったりしても面白い。

考えやすいスタイルは人それぞれだし偉そうに押し付けるつもりは全くないのだけれど（威張ってる中学校の先生じゃないんだから）、本屋で『東大合格生のノートは必ず美しい』をざっと立ち読みしても「かたむけ大作戦」は載っていなかったので、ここに書いてみたのだ。