Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

打ち砕かれた生活リズム

前回の記事で、7月下旬までは相当な時間を仕事に拘束されることになりそうだと書いた。実際、先週の土曜は休日出勤で午前11時から翌朝の午前5時まで働くことになり、今週は26時半まで会社にいたことが2回、24時が2回と、ハードな日が続いている。金曜は力尽きて午後2時まで起きられず、大幅な遅刻をしてしまったが、深いおとがめはなかった。今は僅かな暇を見つけてブログを書いている。

僕の思い違いであることを願うけれど、日本の大学の建築学科や建築事務所には、製図室や事務所に泊まり込んだり徹夜で作業をしたりすることをよしとする風潮が、もっと言えばイケてるとする価値観がどこかにある気がする。自分もかつてはそうだったが、学部4年生の夏以降は、大学に泊まらず必ず家に帰ることを固定したうえで最大のパフォーマンスを発揮できるように意識を変えた。卒業設計も最後の一日以外は家に帰ったし、勿論手伝ってくれる後輩も家に返した。ヘルパーの食事と睡眠の保障は大切にしようと思っていた。卒計の結果は悪くはなかったので、健康的な生活リズムを保ちながらいいものを作る姿勢を今後も追求していこうと思った。

パリ留学中にふたつの事務所のインターンで経験したワークスタイルも、この思いにあつらえたようにマッチしていた。また、他の事務所でインターンした友達の話を聞いても同様だった。ちょっと乱暴な比較だが、勤勉さでは日本が上でも、広い意味でいい仕事をするための余裕や教養ではフランスの方が優れているように感じた。

さて、今会社で関わっているプロジェクトでは、チームで仕事をする以上どうしても周りに合わせる必要があるため、これまで追求してきたワークスタイルや生活リズムは、冒頭に書いたように打ち砕かれた(因みに、うちの会社は業界ではまともだとされているようだ)。同じ部署の人からは無理はするなと言われたり、若い先輩からは一度は染まってみることだと言われたり、混乱している。郷に従えという言葉もあるので、ひとまず会社のやり方に従ってやってみようと思う。自分の身体を高性能の濾過フィルターにしたようなつもりで、見習うべき点と見習ってはならない点を慎重に見極めながら。

けれどやっぱり、この日本の「ある種の傾向」は、自分たちの世代で変えていきたいと思うのだ。