Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

キャトル

いつも通っているスーパーで、入ってすぐの売り場にここのところずっと梨が置かれていたのが、柿に変わった。その翌朝はからっとした爽やかな晴天だった。秋の訪れが日々感じられて悦ばしい。

さて今日の本題は、柿の木坂にある「キャトル」というケーキ屋さん。アムステルダムで建築事務所を主宰している吉良森子さんの設計だ。先日訪れてみて、いい建築だと思った。


東急東横線学芸大学駅から徒歩20分ほど、駒沢通りと緑道に面する場所にあり、1階がケーキ屋とカフェ、2階以上が集合住宅になっている。写真では大したことなく見えるかもしれないが、外観に現れている木枠とガラス、石の外装、上部のリブ付きセメント成形板、そして赤いオーニング、、、これらのアンサンブルがとても心地いい。ケーキも美味しい。内部は1階しか入れないわけだが、カフェ部分の緑道より少し高い位置に設けられたテラスも気持ちいい。エスプレッソはまあまあだった。

そしてこうした建築の要素のひとつひとつが、周辺の住宅街の環境に丁寧に丁寧に応えてデザインされたものであることが感じられる。周囲に馴染むように分節された建物配置や外観しかり、カフェからの眺望しかり。吉良さんがこの建物に寄せた文章からも、設計者のこの街への自然体の愛情が伝わる。

こういう建築が、街を豊かにするのだと思った。