Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

「野性の少年」のように

日曜日に一級建築士の試験(学科)を受け、解答速報による採点の結果、合格安全圏の点数をとることができた。マークシートの記入ミスが怖いものの、9月に正式に学科の合格発表があり、10月に最後の製図の試験がある。何はともあれ一段落、一安心。

会社としても資格取得のバックアップはしてくれているので、2週間前—ちょうどワールドカップの終わった—からは仕事は早く上がり、先週は有給と夏休みを組み合わせて丸ごと試験勉強に充てることができ、その直前の集中力で一気に積み重ねてきた勉強をまとめあげたという格好だ。そして、留学仲間であり会社の同期でもあるきょうすけも合格内定し、彼には失礼ながら二人揃って落ちると思っていたので、二人で祝杯をあげられたことはうれしい。

こういう区切りの時に常に思い出すのは、映画「野性の少年」のラストシーン、階段を登る少年を下から見送るイタール博士役のフランソワ・トリュフォーの言葉「明日からまた勉強だ」。実際問題として製図試験の対策を始めなければならないこともあるが、受験勉強で一時的に大分狭くなった視野をまた広げ、固くなった頭をほぐし、また日常は続いていくことを、続けていかなければいけないことを思わせてくれる言葉だ。

短期間ながら、勉強を通して建築のある側面についてじっくり向かい合うことはできたかもしれないが、試験や資格という網だけをもってしては、建築という魚を捕らえることはできないことは理解しているつもりだ。またいろんな角度から建築に仕事に向き合わなければならないことを考えると、トリュフォーの言葉は「明日もまた遊ぼう」とも受け止められる気がする。