Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

法則の名前はないのですか

この週末は弟の働いている愛媛に何年ぶりかで家族旅行。のはずが、霧のため松山空港に着陸できず、僕は羽田に、両親も九州に引き返すことになり、旅行はキャンセル、またの機会になった。

残念ではあるけれど、こういうドタキャンで生まれた空白はまた別の良き時間で満たされることが経験則的にはほとんどだ。このことに最初に気付いたのは2012年の夏のこと(確認したところ9月9日だった)。熊本への帰省からの帰り、昼過ぎに羽田空港に着き、東京の家に戻る途中に、せっかく大田区の方面に来たので付近にある有名な建物を見ようと寄り道し、ついでに近くに住む友達に久々に会えたらと思いつき、突然ではあるけれどメールで連絡してみた。相手も何かと予定もあって暇ではないだろうと思いながら、クーラーの効いた駅の本屋さんで返信待ちの時間を過ごしていたところ、たまたま村上春樹のインタビューを集めた文庫本が発売されているのを見つけ、立ち読みし始めてみるとこれが面白い。今この時に読めてよかったと思えるような心打たれる一節もあり。

しばらくしてその友達からはやはり予定があるとの返信が来て会えずだったが、久々に会う時間が空白になった分をセレンディピティ的立ち読みの時間で満たされたような按配で、会おうと思い立った時点で、それが実現するかしないかに関わらずその時が良き時間になることが決まったような実感を持ったのだった。ストやら何やらで予定の狂うことが多かったフランスでの生活を思い返してみても、この実感が裏付けられる気がして、これって「何とかの法則」とか名前はないのですか。なければ名づけたい。