Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

シーズンの振り返り

海外サッカーの2015−16シーズンが幕を閉じた。僕にとっては、昨秋にiPhoneiPadを揃えたことによりサッカー観戦も変わった。シーズン終盤に入ってからは、朝起きたらまずは主要各国のリーグ戦やチャンピオンズリーグの結果速報とハイライト動画をチェックするのが日課となった。さらに注目の試合はネットにアップされるフルマッチ動画をじっくりと視聴する。試合は日本時間の夜中から未明にかけて行われ、動画がアップされるのは夕方頃となるので、それまで結果を知らずにいるのにいつも苦労した。会社に行く日は、サッカー好きの同僚の方々に口を滑らせないように懇願し、その他にも駅や電車内のモニター、キオスクのスポーツ紙の見出しなどに表示された試合結果がうっかり目に入る恐れもあるので、細心の注意を払っての外出となる。都市には危険が満ちている。それこそ、ワールドクラスのストライカーに対峙するディフェンダーの緊張をはからずも疑似体験する感じだ。集中力を一瞬でも切らせば試合を決定づけるゴールを奪われてしまう。

無事に帰宅してもまだ油断はできない。最後の関門が待っている。iPadで動画を集めているサイトにアクセスし、目当ての試合のページを開くと、最初の画面にでかでかと試合結果が映し出されている。したがって、その部分を大学ノートなどで隠しながら慎重に画面をスクロールし、動画再生ボタンをタップしてやっと一安心となる。まあこんなあんばいで苦労はあったが、リアルタイムで観戦するために真夜中に起きて結果寝不足、ということも今年はなく、心ゆくまで最高峰の戦いを楽しめた。

レスターの奇跡の優勝、最終節までもつれたリーガ・エスパニョーラ、ハイレベルな試合が多く最後に予想だにしなかったドラマが待っていたコパ・アメリカ・センテナリオとユーロなど、いつになく見所の多いシーズンだった。そのなかで、ここでひとつ取り上げるならアトレティコ・マドリードの躍進を選びたい。資金力で劣りながらも戦術や組織力を武器にバルサやレアル、バイエルンといったメガクラブと互角に、時にはそれ以上に渡り合った。そんな戦いぶりは、リーガもチャンピオンズリーグも最後の最後でタイトルを逃したからこそ、試合を観た自分たちが記憶にとどめ、語り継いでいく必要がある。

ちょうどアトレティコが頑張っていたころ家の掃除機が壊れてしまい買い換えようとしていたのだが、金に物を言わせて駒を揃えるのではなく、限られた戦力で最大限のパフォーマンスを目指すことが重要だと彼らから学び、掃除機は買わないことに決めた。今日もコロコロとクイックルワイパーで床を磨いている。ローテクの掃除用具を最大限利用する、シメオネ流家事の実践である。