Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

おめでとうオースミップ

今は昔の2010年から2011年にかけて、僕たちはヨーロッパへ留学した。このブログにもたびたび登場してきたこの交換留学プログラムAUSMIP(オースミップ)は今でも継続されていて、なんと、このたび日本建築学会の教育賞なるものを受賞した。火曜日にその祝賀会が東京大学で催され、担当の先生方や今年で14期になる歴代の派遣生たちが集まり、僕も参加してきた。週の始めの日の、しかも早い時刻の開始だったためか出席率は高くはなかったが、久しぶりに会えた友人や先生方と語らい、新しい知り合いもできた。

祝賀会の途中で、藤田香織先生が賞への応募に際して建築学会で行ったプレゼンを再現してくださった。プログラムの沿革や概要、留学生の現地での生活や留学後の活躍などを紹介。ちなみにその最中に賞状が回された。僕たちが留学していた時期は、経済的にはかなり手厚いバックアップを受けていたように見える。給付金を提供してくれる機関が多く、ヨーロッパでは多くの場合安くて清潔な寮があてがわれ、しかも円高だった。プレゼンの最後、「受賞対象者は個人ではなく"AUSMIP"なので、派遣生だったみなさんも受賞者です。履歴書にも書けます」と話され、一同笑いと戸惑いの入り混じった表情で顔を見合わせる。

(なお、賞の選考理由が建築学会賞のホームページに載っています。嘘とまでは言わないけれど身にあまる言葉、と思える箇所もありますが、、
https://www.aij.or.jp/images/prize/2016/pdf/3_2award_003.pdf

自分に関して言えばあの1年間がそんな社会的に評価されるような値打ちのあるものだったとはとても思えないものの、何はともあれめでたいこと。受賞に関われたことはうれしいこと。もちろん、これを笠に着るようではおしまいだが。権力や影響力というパワーというものは、それを保証してくれる枠組みを批判するためにこそ用いられるべきだから。